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糖尿病でも食べていいもの一覧!避けたほうがいい食べ物や食べ方も紹介

糖尿病の人が食べていいもの

現在糖尿病の治療をしている人、血糖値が高めな人の中には何を食べたらいいか悩んでいる人もいるでしょう。

糖尿病であっても特別な食事をする必要はなく、食べてはいけないものはありません。

しかし血糖値には、毎日の食事が大きく影響を及ぼします。

今回は糖尿病の人が食べていいものと避けたほうがいいもの、食べ方のポイントを解説します。

この記事でわかること
  • 糖尿病の人が食事に気を配らなければならない理由
  • 糖尿病の人が積極的に摂取したい食べ物と避けたほうがいい食べ物
  • 血糖値を急激に上げないための食ベ方のポイント

糖尿病の人や血糖値が気になる人は、ぜひ参考にしてください。

目次

糖尿病の人が食事に気を配らなければならないのには理由がある

食事に気を配る理由

糖尿病の人が食事に気を配らなければならないのには、以下のような理由があります。

  • 治療は食事と運動を中心に行われるため
  • 合併症を予防するため

糖尿病はインスリンの分泌または作用が不十分なために、血糖値の高い状態が続く病気です。

大きく分けて1型と2型の2種類に分類され、発症する要因や治療方法が異なります。

日本人の糖尿病患者のうち、約95%は2型糖尿病といわれています。

2型糖尿病を発症する要因は生活習慣によるものと考えられており、治療は食事と運動が中心です。

食事に気を配り、摂取するエネルギーや糖質の量を抑えるとインスリンの分泌や効きの改善が見込めます。

そのため、糖尿病または糖尿病の疑いがあると診断されたときから食事療法を開始します。

参照元:2型糖尿病の治療 – 一般社団法人日本糖尿病学会

食事療法の目的は、主に合併症の予防です。

糖尿病で血糖値の高い状態が続くと血管や神経が損傷し、さまざまな病気を引き起こす恐れがあります。

以下は、糖尿病における三大合併症です。

  • 糖尿病網膜症
  • 糖尿病性腎症
  • 糖尿病神経障害

上記以外にも心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気を発症する恐れがあります。

合併症の予防には、血糖値コントロールが役に立ちます。

血糖値コントロールとは、血糖値を正常な数値に近づけることです。

食事量やカロリーに注意し、栄養バランスが整った献立を考えます。

続いて、血糖値に良い影響を与える具体的な食べ物を紹介していきます。

糖尿病で積極的に摂取したいのは血糖値の上昇を抑えられる食べ物

血糖値上昇を抑える食べ物

バランスの良い献立は以下の5つが基本であるため、それを踏まえて糖尿病の人が積極的に摂取したい食べ物を種類別に紹介します。

  • 主食
  • 主菜
  • 副菜
  • 乳製品
  • 果物

血糖値は、食品のGI値に大きく影響を受けます。

GI値とはグリセミック・インデックスの略で、食後に血糖値が上がる速度を表す指標のことです。

ブドウ糖を摂取した場合の数値を100で表し、GI値が低い食品ほど血糖値の急上昇を防げます。

食品はGI値によって、以下のように分類されます。

分類GI値
低GI食品55以下
中GI食品56以上69以下
高GI食品70以上

参照元:日本調理科学会誌 – J-STAGE

低GI食品は食後の血糖値がゆっくりと上昇するため、食事に取り入れると血糖値コントロールに役立ちます。

それでは、具体的な食品を種類別に紹介していきましょう。

主食には白米よりもGI値が低い玄米や雑穀米を選ぶ

主食には糖質が多く含まれているため、白米よりもGI値が低い玄米や雑穀米を選ぶと良いでしょう。

以下は、主な穀類のGI値です。

食品名GI値
白米玄米雑穀米うどんそば8855558555

日本人の主食として一般的な白米のGI値は、88です。

主食を玄米や雑穀米、そばなどに替えると血糖値の上昇を抑えられます。

GI値が低い穀類は白色ではなく、茶色の食品が多いのが特徴です。

精製の際に取り除かれる外皮や胚芽部分には栄養が多く含まれており、糖質の吸収を遅らせる食物繊維が豊富に含まれています。

主食は食事の中でも量が多いため、低GI食品を選ぶと血糖値の上昇を抑える効果も大きくなります。

タンパク質が多い主菜は食後の血糖値がおだやかに上昇する

食後の血糖値をおだやかに

タンパク質が多い主菜は食後の血糖値がおだやかに上昇するため、糖尿病の人にも向いています。

タンパク質は消化吸収に時間がかかり、糖質がゆっくりと吸収されるためです。

主菜となる肉や魚、大豆食品はほとんどが低GI食品に分類されます。

以下は、タンパク質が多く含まれている食品のGI値です。

食品名GI値
牛肉鶏肉豚肉サバまぐろアジゆで大豆納豆豆腐454546404040153042

タンパク質の摂取により、小腸からインクレチンが分泌されます。

インクレチンとはインスリンの分泌を促し、血糖値を上げるグルカゴンを抑制する働きがあるホルモンのことです。

そのためインクレチンは、血糖値を下げる作用が期待できます。

青魚はDHAなどの不飽和脂肪酸が豊富で、動脈硬化を防ぐ効果があります。

糖尿病の人は動脈硬化が起こるリスクが高くなるため、不飽和脂肪酸は積極的に摂取したい成分です。

大豆食品には、イソフラボンと呼ばれるポリフェノールが含まれています。

イソフラボンは、耐糖能異常を改善する効果が期待できます。

耐糖能異常とはインスリンの分泌量や作用の低下により、空腹時や食後の血糖値が高くなる状態のことです。

以下のいずれかにあてはまる場合は、耐糖能異常と診断されます。

  • 空腹時の血糖値が100〜125mg/dLである
  • 経口ブドウ糖負荷試験から2時間経過後の数値が140〜199mg/dLである

耐糖能異常がある人は糖尿病になるリスクが高まるため、イソフラボンの作用が役立ちます。

肉や魚、大豆食品はアミノ酸スコアが高く、タンパク質の質が良いという特徴もあります。

アミノ酸スコアとは、食品に含まれている必須アミノ酸のバランスを評価する指標のことです。

アミノ酸スコアが100に近いほど、タンパク質の質が良いと判断されます。

肉や魚、大豆食品のアミノ酸スコアはいずれも100となっており、体内で効率良く利用されます。

副菜は糖質の吸収をおだやかにする食物繊維が豊富な野菜を摂取する

食物繊維が豊富な野菜を摂取

副菜では、糖質の吸収をおだやかにする食物繊維が豊富な野菜を摂取するのが大切です。

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれ働きが異なります。

水溶性食物繊維には糖質の吸収速度を遅らせる作用があり、不溶性食物繊維は便通の改善に役立ちます。

きのこ類は両方の食物繊維が豊富に含まれており、2010年の学会においてインスリンの分泌を促進する働きがあると発表されました。

食物繊維が多い食品は食べ応えがあるため、食べ過ぎの予防にもつながるでしょう。

きのこ類は、全般的にGI値が低いという特徴もあります。

以下は、GI値が低い野菜の具体例です。

食品名GI値
ブロッコリーグリーンアスパラピーマンキャベツしめじ椎茸えのき玉ねぎトマト252526262728293030

野菜を多く食事に取り入れると血糖値の上昇を抑えられ、栄養バランスも改善できます。

乳製品や果物の中にはGI値が低い食品もあるが量の調節は必要

乳製品や果物の中にはGI値が低い食品もありますが、糖尿病の人は量の調節が必要です。

乳製品は動物性の脂肪、果物には果糖が多く含まれています。

動物性脂肪を多く摂取するとエネルギーやコレステロールの増加につながるため、1日の目安量を守るのが大切です。

血糖値は血液中のブドウ糖の濃度を表しているため、果糖は数値が上がる直接の原因にはなりません。

しかし、果物を過剰に摂取すると中性脂肪や体重の増加につながります。

以下は、乳製品や果物の中でGI値が低い食品の具体例です。

食品名GI値
牛乳プレーンヨーグルトチーズいちごグレープフルーツりんご252535252536

食事の際に乳製品を摂取すると、食後に血糖値が急上昇するのを防ぐ効果があります。

そのため、糖尿病の人がパンなどの高GI食品を食べる時は乳製品を一緒に食べると効果的です。

乳製品には栄養素が豊富に含まれており、血圧を下げる効果も期待できます。

以下は、乳製品に含まれている血圧の改善に役立つ成分です。

  • カルシウム
  • カリウム
  • ペプチド

カルシウムやカリウムなどのミネラルには、血圧を下げる作用があります。

ペプチドとは、体内にある複数のアミノ酸が結合した化合物のことです。

血圧を上げる酵素を阻害する働きがあるため、結果として血圧が下がります。

果物にはビタミンや水溶性食物繊維などが含まれており、適量であれば血糖値に悪影響を与えないとされています。

糖尿病の人や血糖値を下げたい人は、今回紹介した食品を積極的に食事に取り入れてみましょう。

食品の中には、糖尿病の人が避けたほうがいいものもあります。

糖尿病や血糖値が気になる人は避けたほうがいい食品もある

避けたほうがいい食品

糖尿病や血糖値が気になる人は避けたほうがいい食品は、以下のとおりです。

  • 菓子パン
  • ファーストフード
  • 甘いお菓子やスナック菓子
  • 清涼飲料水やフルーツジュース

糖尿病で食べてはいけない食品はありませんが、糖質の多い食品は血糖値コントロールに悪影響を与えます。

菓子パンやファーストフードは気軽に食べられるため、お腹が空いた時に食事代わりに食べている人もいるでしょう。

ファーストフード店では、ハンバーガーやポテトとセットで清涼飲料水やフルーツジュースの飲み物が提供されています。

糖質の多い食品の重ね食べは、血糖値を悪化させる原因の1つです。

中には甘いお菓子やスナック菓子、飴を食べるのが習慣になっている人もいます。

糖尿病の症状を改善するためには、食習慣を見直すのが大切です。

ここからは、上記の食品を避けたほうがいい理由について1つずつ解説します。

菓子パンは糖質やカロリーが多く血糖値の急上昇を招く恐れがある

菓子パンには糖質やカロリーが多く含まれており、血糖値の急上昇を招く恐れがあります。

小麦粉で作られたパンは元々GI値が高く、菓子パンにはクリームやチョコレートなどが使われています。

大きさや種類によっても異なりますが、菓子パン1個に含まれる糖質は30〜50g程度です。

1個で300kcalを超えるものもあり、カロリーが高いという特徴もあります。

他にもカレーパンやコロッケパンなどは油で揚げているため、脂肪分が多くなります。

安価で手に入り気軽に食べられますが、血糖値が気になる人は避けたほうがよいでしょう。

ファーストフードは高脂肪かつ高カロリーな食べ物である

油を使って調理するファーストフード高脂肪かつ高カロリーな食べ物であり、血糖値に悪影響を与えます。

代表的なファーストフードとしてハンバーガーやフライドポテト、フライドチキンなどが挙げられます。

アメリカのミネソタ大学の研究によると、ファーストフードを週2回以上食べている人は糖尿病を発症するリスクが約27%上がるという結果が出ました。

同研究ではファーストフードを頻繁に食べる人は、心臓病のリスクが高まるとされています。

さらに糖尿病や肥満の人がファーストフードを食べ過ぎると、脂肪肝のリスクが高まります。

脂肪肝とは、肝臓に過剰な脂肪が蓄積した状態のことです。

症状が進むと、肝変や肝硬変などの肝臓疾患につながる恐れがあります。

参照元:e-ヘルスネット – 厚生労働省

ファーストフードは調理時間が短くすぐに食べられるため、時間がない時にも便利です。

しかし高脂肪かつ高カロリーであり、糖尿病の症状を悪化させる恐れがあります。

甘いお菓子やスナック菓子には糖質や脂質が多く含まれている

血糖値スパイクを引き起こす原因

甘いお菓子やスナック菓子には糖質や脂質が多く含まれており、血糖値コントロールの乱れにつながります。

特に空腹時にお菓子を食べると、血糖値スパイクを引き起こす原因となります。

血糖値スパイクとは空腹時の血糖値が正常であるにもかかわらず、食後の血糖値が急上昇した後に急降下する現象のことです。

健康診断では発見されない場合があり、血糖値スパイクが起こると血管が損傷して動脈硬化につながります。

油で調理されたスナック菓子は脂質が多く、カロリーも高いのが特徴です。

ポテトチップスなど塩味のお菓子は塩分も多いため、高血圧の原因にもなります。

袋入りのスナック菓子は、一度で食べ切ってしまう人も多いでしょう。

食べ過ぎを防ぐためには小分けされ、1袋の量が少ない商品を選びます。

チョコレートは糖質が多いイメージがありますが、高カカオチョコレートは糖尿病の人の間食にも向いています。

高カカオチョコレートは糖質が少なく、ポリフェノールが豊富なためです。

チョコレートに含まれるポリフェノールは血圧を下げ、動脈硬化を予防する効果が期待できます。

健康効果を得るためには、カカオ分が70%以上のチョコレートを選ぶのが大切です。

糖質が多い飴を食べると血糖値が急激に上がる恐れがある

糖質が多い飴を食べると血糖値が急激に上がる恐れがあるため、糖尿病の人にはおすすめできません。

飴の原材料は一般的に砂糖や水飴であり、見た目以上にカロリーが高い食品です。

水分量や製造方法の違いによって、ソフトキャンディとハードキャンディの2種類に分けられます。

糖尿病の人は喉の渇きを感じる場合があり、症状を紛らわせるために飴を食べている人もいるでしょう。

空腹で飴を食べると、血糖値コントロールが乱れる原因となります。

食後から次の食事までの間に血糖値が下がりきらず、高血糖の状態が続いてしまうためです。

頻繁に飴を食べている人は舐めるのが習慣になり、1日に食べる個数も増えていきます。

飴は口の中を酸性に傾かせるため、虫歯の原因にもなります。

飴を食べる場合は、ラカントやシュガーレスの飴が候補です。

ラカントは植物由来の甘味料で、カロリーがゼロという特徴があります。

シュガーレスの飴にも糖質やカロリーが含まれている商品があるため、食べる量は調節が必要です。

清涼飲料水やフルーツジュースは血糖値に悪影響を与える

清涼飲料水やフルーツジュースには砂糖が多く使われており、血糖値に悪影響を与えます。

飲み物は食べ物に比べて消化吸収の速度が速く、血糖値の急上昇につながるためです。

具体的には炭酸飲料やスポーツドリンク、コーヒーなどが挙げられます。

砂糖だけでなく、甘味料や保存料などの体に良くない添加物も含まれています。

スポーツドリンクは熱中症予防に効果的ですが、運動しない時に飲むと塩分や糖分の過剰摂取につながるでしょう。

ジュースにすると生の果物よりも食物繊維が少なくなり、血糖値が上がるのを抑える働きが弱まります。

アメリカのカリフォルニア州の調査によると、果糖やブドウ糖などの甘い飲み物を飲む習慣がある人は心血管疾患のリスクが高まるという結果が出ました。

糖尿病の人は心筋梗塞などの心血管疾患になるリスクが高く、発症の確率をさらに高めてしまう恐れがあります。

血糖値を安定させるには食品選びだけでなく食べ方も大切なため、続けて食べ方のポイントを解説します。

血糖値を急激に上げないための食ベ方のポイントは4つある

血糖値の急激な上昇を防止

血糖値を急激に上げないための食べ方のポイントは、以下の4つです。

  • 食事の間隔に気を配る
  • 主食の量を調節して腹八分目を心がける
  • 食物繊維やタンパク質を積極的に摂取する
  • 食事はよく噛んでゆっくり食べる

同じ食事内容でも食べるタイミングや順番によって、血糖値が大きく異なります。

糖尿病の治療は食事と運動が基本であるため、運動の習慣を取り入れるのも大切です。

運動により体内のブドウ糖がエネルギーに変換され、インスリンの効きが良くなります。

糖尿病を改善させる運動には、有酸素運動と筋力トレーニングが挙げられます。

有酸素運動とは、筋肉を動かす際に酸素をエネルギーとして使う運動のことです。

具体的には、ウォーキングや水泳などの全身運動を表します。

筋力トレーニングとは筋肉に負荷をかけ、筋力の維持や向上を目指す運動のことです。

筋肉が増えるとブドウ糖の消費量が増えるため、血糖値の低下につながります。

食後の高血糖を改善したい場合は、食後1〜2時間以内に運動すると効果的です。

それでは、食べ方のポイントを1つずつ解説していきます。

食事と食事の間隔はなるべく等間隔になるように心がける

空腹の時間が長すぎると食後に血糖値が急上昇する恐れがあるため、食事と食事の間隔はなるべく等間隔になるように心がけます。

1日3食を規則正しく食べ、食事は抜かないようにするのが大切です。

1食抜くとその分摂取カロリーは少なくなりますが、食事の間隔が長くなります。

過度な空腹は早食いや食べ過ぎの原因となり、血糖値の急上昇を招きます。

食事を取ってから血糖値が正常の値に戻るまでには、最低2〜3時間必要です。

食事の間隔が短すぎると血糖値が下がりきらず、高血糖の状態が続いてしまいます。

糖尿病の人は、夜遅い時間に食事を取るのも避けたほうがよいでしょう。

夕食は、寝る3時間前までに済ませるのが目標です。

寝る前に食事を取ると、就寝中の高血糖や睡眠の質の低下につながります。

主食を食べ過ぎないように量を調節して腹八分目を心がける

白米などの主食には糖質が多く含まれているため、食べ過ぎないように量を調節し、腹八分目を心がけるのが大切です。

糖質を多く摂取すると、血糖値が急上昇する原因となります。

糖尿病や血糖値が気になる人は、炭水化物の重ね食べも避けるべきです。

炭水化物が中心の食事は糖質やカロリーが多く、栄養バランスも偏ってしまいます。

食事量が多いと血糖値の上昇や肥満につながるため、食事は腹八分目を心がけます。

肥満は、糖尿病の合併症を発症する要因の1つです。

1日の食事量は、農林水産省と厚生労働省が策定した食事バランスガイドや日本糖尿病学会の食品交換表が参考になります。

食事バランスガイドとは、1日に食べる食品の目安量を種類別に表したものです。

参照元:食事バランスガイド – 農林水産省

普段よく食べる食品の目安量がイラストで示されており、献立作りに役立ちます。

食品交換表は食品を栄養素によって6つのグループに分類し、1単位を80kcalとして食べる量の目安を示したものです。

適切な食事量は患者の年齢や運動量によっても異なるため、糖尿病の治療を受けている人は医師と相談しましょう。

食事ではタンパク質や食物繊維を含むおかずを積極的に食べる

タンパク質や食物繊維を含むおかず

食事でタンパク質や食物繊維を含むおかずを積極的に食べると、血糖値の上昇を抑える効果があります。

タンパク質や食物繊維には、糖質の吸収速度を遅らせる効果があるためです。

さらにタンパク質は筋肉の維持や増加にも役立ち、筋肉には血糖値を調整する作用があります。

食事の献立にはタンパク質が摂取できる肉や魚、食物繊維が豊富な野菜を使ったおかずを用意しましょう。

主食に主菜、副菜を組み合わせた献立は栄養バランスの良い食事につながります。

血糖値には、食べる順番も大きく影響します。

血糖値の急上昇を抑える順番は食物繊維、タンパク質、炭水化物の順です。

先に食物繊維を多く含む食品を食べると満腹感が得られるため、食べ過ぎを予防できます。

おかずによって主食の量が減り、摂取カロリーを減らす効果もあります。

食事はよく噛んで1食に20〜30分以上かけてゆっくり食べる

血糖値の上昇を抑えるには食事をよく噛み、1食に20〜30分以上かけてゆっくり食べるのが効果的です。

噛む行為によって脳の働きが活性化され、神経ヒスタミンの量が増えます。

神経ヒスタミンは満腹中枢を刺激して食欲を抑える効果があり、レプチンの分泌を促します。

レプチンとは脂肪細胞から分泌され、食欲を抑制する作用があるホルモンのことです。

神経ヒスタミンやレプチンの働きにより食欲が抑えられ、食べ過ぎを予防できます。

ゆっくり時間をかけて食べるのも、血糖値の急上昇を防ぐのに効果的です。

食物繊維を摂取してから糖質の吸収を遅らせる効果が出るまでには、5分程度かかります。

満腹中枢が働くまでには15分以上かかるため、ゆっくり食べると食事量を減らせます。

糖尿病や血糖値が気になる人は毎日の食品選びが大切である

血糖値には食事や運動などの生活習慣が大きく影響するため、糖尿病や血糖値が気になる人は毎日の食品選びが大切です。

積極的に摂取したい食品には、タンパク質や食物繊維を多く含む食品や低GI食品が挙げられます。

これらの食品は食後に血糖値が急上昇するのを防げるため、血糖値コントロールに効果的です。

糖尿病だからといって食べてはいけない食品はありませんが、避けたほうがいい食品はあります。

菓子パンやファーストフード、お菓子類は血糖値の急上昇につながります。

飴や清涼飲料水なども糖質が多いため、糖尿病の人には向いていません。

血糖値を安定させるためには食品選びだけでなく、食べ方も重要です。

食事の間隔に気を配り、食事量は腹八分目を心がけましょう。

タンパク質や食物繊維を積極的に摂取し、よく噛んでゆっくり食べるのも大切です。

糖尿病の人や血糖値が気になる人は、今回の記事を参考にして食品を選んでみてください。

この記事の監修者

東京医科大学を卒業後、複数の総合病院内科、東京医科大学病院 糖尿病代謝分泌科を経て、現在の四谷内科・内視鏡クリニックの副院長に就任。


糖尿病専門医でありながら、見逃されやすい内分泌疾患にも精通した総合的な診療をおこなう。

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