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ナッツには血糖値を下げる効果あり!血糖値が安定するナッツの食べ方を紹介

血糖値が安定するナッツの食べ方

血糖値は、血液検査で測定され、糖尿病や低血糖などの診断や治療に重要な項目のひとつです。

血糖値が正常値から逸脱すると、倦怠感や手足のふるえ、意識障害といった様々な症状を引き起こします。

特に血糖値スパイクにより糖尿病を発症すると、糖尿病による三大合併症や脳心血管病などの命に関わる病気を発症するリスクが高まります。

上記のような血糖値の逸脱による症状や糖尿病、三大合併症などの発症は、ナッツの取り入れにより予防が可能です。

ナッツには、食後血糖値の上昇を緩やかにする効果があり、血糖値スパイクを抑制できます。

この記事では、ナッツの効果と血糖値が安定するナッツの食べ方について紹介します。

この記事で分かること
  • 不安定な血糖値による病気のリスク
  • 血糖値とナッツの関係
  • ナッツの栄養素と食べ方

ナッツの選び方や適正摂取量、摂取のタイミングなども紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

目次

安定した血糖値は糖尿病や脳心血管病などの病気の発症を防ぐ

正常範囲内の安定した血糖値は、糖尿病や脳心血管病、低血糖などの発症を予防できます。

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。

食事をすると、食べ物に含まれる炭水化物が分解されてブドウ糖になり、小腸から吸収されてエネルギー源として血液により全身に運ばれます。

体内でブドウ糖の供給と消費が繰り返されているため、血糖値はある一定の範囲内に維持されます。

健康的な人では、空腹時血糖値が70〜109mg/dl、食後血糖値が140mg/dlが正常値です。

血糖値が正常値を上回ると高血糖、下回ると低血糖と呼ばれてふるえや動悸、手足のしびれなどの様々な症状が現れます。

さらに高血糖の状態が続くと、糖尿病や糖尿病による三大合併症、脳心血管病などを発症するリスクが高まります。

命に関わる病気の発症を防ぐためにも、血糖値を安定させる取り組みが大切です。

食前のナッツ摂取は血糖値スパイクを抑制して様々な病気の発症を防ぐ

様々な病気の発症を防ぐ

食前にナッツを摂取すると、血糖値スパイクを抑制して糖尿病や脳心血管病などの発症を予防できます。

血糖値スパイクとは、食後に血糖値が正常値を超えて急上昇した後、急降下して正常値に戻る状態のことです。

血糖値スパイクによる血糖値の乱高下が、血管にダメージを与えて糖尿病を発症するリスクを高めます。

糖尿病が進行すると、脳梗塞や脳卒中、心筋梗塞などの様々な病気を引き起こす可能性があります。

他にも、ナッツの歯ごたえにより満腹中枢が刺激されて過食を予防する効果があるため、食前に適量摂取するとよいでしょう。

ナッツに含まれる栄養素が血糖値の急上昇を予防して健康を促進する

ナッツには、以下の栄養素が豊富に含まれています。

  • 不飽和脂肪酸
  • 食物繊維
  • ビタミン
  • ミネラル

ナッツに含まれる栄養素は、食後血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。

他にも血液中の悪玉コレステロールを減少させたり、動脈硬化を予防したりして身体の健康状態を促進させます。

特に不飽和脂肪酸やミネラルは、体内で作り出せない栄養素のため、意識的な摂取が大切です。

ただし、ナッツは高カロリーの食品であるため、過剰摂取は避けてください

血糖値を安定させて長く健康でいるために、ナッツの適正摂取量や種類を理解して積極的に取り入れてみましょう。

ナッツの種類により栄養素や健康効果などの特徴が異なる

栄養素や健康効果の特徴

ナッツには、以下のような種類があり、それぞれ栄養素や健康効果が異なります。

  • ピーナッツ
  • アーモンド
  • カシューナッツ
  • くるみ
  • マカデミアナッツ

血糖値の上昇を緩やかにする効果とともに、ナッツの種類により美肌や美髪効果、中性脂肪を減少させる効果などの様々な健康効果が得られます。

それぞれ食感や歯ごたえが異なるため、満腹感にも差が現れます。

自身の好きな食感や得たい健康効果に合わせて、ナッツの種類を選んでみましょう。

さらにナッツは、様々な栄養素を豊富に含むため、食事で足りない栄養素を補えます。

ナッツごとの特徴を理解して、間食やサラダなどに意識的に取り入れるのが効果的です。

ピーナッツには健康効果のある栄養素が豊富に含まれる

ピーナッツは、皮膚や臓器、筋肉など身体を作る上で欠かせないたんぱく質が豊富に含まれているのが特徴です。

ピーナッツには、以下の栄養素が含まれています。

  • たんぱく質
  • 不飽和脂肪酸
  • 食物繊維
  • 亜鉛
  • ビタミンB1やビタミンE
  • ナイアシン

リノール酸という不飽和脂肪酸は、血液中の悪玉コレステロールを減少させたり、血糖値の上昇を緩やかにしたりする効果があります。

不飽和脂肪酸は、体内で作り出せないため、意識的な摂取が大切です。

さらに、ピーナッツの薄皮には、ポリフェノールの一種であるレスベラトロールが豊富に含まれています。

レスベラトロールのもつ抗酸化作用は、脳心血管病の発症や生活習慣病の予防にも効果的なため、薄皮ごと摂取するとよいでしょう。

歯ごたえのあるアーモンドは健康効果とともに肥満予防の効果がある

歯ごたえのあるアーモンドは、血糖値を改善させるのみでなく、肥満を予防するなどの多くの健康効果をもちます。

アーモンドには、以下の栄養素が含まれています。

  • ビタミンEやビタミンB2
  • たんぱく質
  • 不飽和脂肪酸
  • 亜鉛
  • 食物繊維

ビタミンEの抗酸化作用は、アンチエイジング効果や肝機能改善効果があるとされています。

亜鉛は、たんぱく質やホルモンの合成、DNAの複製などに必要な栄養素です。

しかし、体内で作り出せないため、亜鉛の意識的な摂取が重要となります。

さらに食物繊維には、血糖値の上昇を緩やかにする効果とともに腸内環境を整える効果があるため、積極的な摂取を心がけましょう。

カシューナッツに豊富に含む亜鉛は体内の調節機能を整える

亜鉛は体内の調整機能を整える

カシューナッツは、ナッツの中でも亜鉛を豊富に含むのが特徴です。

カシューナッツには、以下の栄養素が含まれます。

  • 亜鉛
  • たんぱく質
  • ビタミンB1
  • ビタミンK
  • 不飽和脂肪酸
  • 葉酸
  • 食物繊維

亜鉛が不足すると、味覚障害や免疫力の低下が起こります。

亜鉛の適量摂取は免疫力の向上や生活習慣病の予防、新陳代謝の活性化などの効果が得られるため、意識的な摂取を心がけましょう。

さらにカシューナッツには、骨の形成に必要なビタミンKや貧血予防の効果がある葉酸なども含まれています。

くるみは血糖値の上昇を緩やかにする多価不飽和脂肪酸を豊富に含む

くるみは、多価不飽和脂肪酸が豊富に含まれていて血糖値の上昇を緩やかにします。

くるみには、以下の栄養素が含まれます。

  • たんぱく質
  • 食物繊維
  • ビタミンE
  • ビタミンB群
  • ミネラル
  • 多価不飽和脂肪酸

ミネラルには、食後血糖値の症状を緩やかにする効果とともに、生体機能の調整や代謝の促進などの効果があります。

ミネラルは、体内で作り出せないため、積極的な摂取が大切です。

くるみには、糖質やたんぱく質、脂質の代謝を助けるビタミンB群も豊富に含まれています。

ビタミンB群には、疲労回復効果や皮膚と髪の毛の再生効果があるため、意識的に摂取しましょう。

マカダミアナッツはインスリン感受性を高める効果をもつ

マカダミアナッツは、パルミトレイン酸が豊富に含まれています。

パルミトレイン酸は、不飽和脂肪酸の1種でインスリンの感受性を高める効果をもちます。

マカデミアナッツ以外のナッツには、パルミトレイン酸がほとんど含まれていないのが特徴です。

マカダミアナッツには、以下の栄養素が含まれています。

  • 不飽和脂肪酸
  • たんぱく質
  • ビタミンB群
  • ミネラル
  • 食物繊維

マカダミアナッツに含まれる食物繊維は、不溶性食物繊維であり、整腸作用があります。

食物繊維には、脂質やナトリウムなどを吸着して体外に排出する働きがあるため、高血圧や糖尿病予防にもつながります。

高カロリー食品であるナッツの過剰摂取は肥満につながる

過剰摂取は肥満につながる

ナッツは、食後血糖値の上昇を緩やかにするとともに血中コレステロール減少や美肌効果などの様々な健康効果をもちます。

しかし、高カロリー食品のため、過剰摂取は肥満につながります。

1日あたり、約25〜30gを目安にして摂取しましょう。

小分けされているナッツの活用は、カロリーを把握できるため便利です。

他にも、1回分をお皿に出して摂取すると、過剰摂取を予防できます。

糖尿病患者であっても、ナッツの適量摂取により心筋梗塞や脳梗塞などの脳心血管病のリスクが低下するといわれています。

ただしナッツはカリウムを含むため、糖尿病性腎症を発症している場合には、医師に相談して過剰摂取は避けてください。

ナッツは加工品を避けて自然に近い無添加のものを選ぼう

ナッツは、加工品を避けて食塩や砂糖が添加されていない無添加のものを選ぶのが理想的です。

食塩や砂糖が添加されているナッツを摂取すると、気づかないうちに食塩や砂糖を過剰摂取している可能性があります。

食塩や砂糖の過剰摂取は、高血圧や肥満を引き起こすリスクがあるため、無添加のナッツを選んでください。

ナッツをローストする過程で、油を使用している場合もあります。

油を使用した分カロリーが高くなるため、素焼きのナッツがよいでしょう。

食後血糖値の上昇を緩やかにする効果とともに、様々な健康効果をもつナッツを最大限活かすためにも、無添加かつ素焼きのナッツを選ぶのが効果的です。

間食を食べる時は血糖値の上昇を緩やかにするナッツを選ぼう

間食をする場合には、血糖値の上昇を緩やかにする効果をもつナッツの摂取が理想的です。

食事と食事の間隔を空けると、血糖値を下げる時間ができて血糖値が安定します。

そのため、間食をすると血糖値に影響が及びます。

間食による血糖値の影響を少なく抑えるためにも、ナッツを摂取するとよいでしょう。

さらに、ナッツには体内で作り出せない亜鉛やミネラルなどの栄養素を豊富に含むため、間食での摂取により食事で足りない栄養素を補給できます。

ただし、過剰摂取は肥満につながるため、必ず適量摂取してください。

病気を予防するために血糖値を安定させるナッツを取り入れてみよう

血糖値は、体の健康状態を把握する上で欠かせない指標のひとつです。

血糖値が正常値を逸脱すると、糖尿病や低血糖などの病気を引き起こします。

血糖値の高い状態が続いて糖尿病になると、糖尿病三大合併症や脳心血管病などの更なる合併症を引き起こすリスクが高まります。

日常生活の中で、ナッツを取り入れるのみで食後血糖値の上昇が緩やかになるため、意識的な摂取が大切です。

ナッツには、様々な健康効果があるため、自身の好みや得たい効果などから選んで積極的に摂取するよう心がけましょう。

この記事の監修者

東京医科大学を卒業後、複数の総合病院内科、東京医科大学病院 糖尿病代謝分泌科を経て、現在の四谷内科・内視鏡クリニックの副院長に就任。


糖尿病専門医でありながら、見逃されやすい内分泌疾患にも精通した総合的な診療をおこなう。

日本糖尿病学会
糖尿病専門医

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