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シナモンは血糖値を下げるのか!インスリンや肝臓への影響及び活用方法を紹介

血糖値の安定化に効果あり

血糖値は、空腹時と食後で変動しますが、血糖値が高い状態が続くと糖尿病や心筋梗塞などの病気を発症する危険性があります。

このような病気を発症しないようにするためには、血糖値の安定化が不可欠です。

血糖値を安定させるには、食事療法や運動療法がありますが、実は香辛料であるシナモンが血糖値の安定化に効果があるといわれています。

この記事では、シナモンと血糖値の関係について解説します。

この記事で分かること
  • 血糖値の安定化とインスリンの関係
  • シナモンは血糖値の安定化に役立つ
  • シナモンが肝臓に与える影響
  • シナモンの摂取量と活用方法

シナモンの使い方も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

目次

血糖値の安定化にはインスリンが深く関わっている

血糖値は、血液中に含まれるブドウ糖の濃度という意味です。

ブドウ糖の濃度が高くなると、膵臓からインスリンが分泌されて血糖値を下げます。

食後に血糖値が上がる仕組み

  1. パンやご飯などの炭水化物を摂取
  2. 体の中で消化吸収される
  3. 炭水化物がブドウ糖に分解される
  4. 分解されたブドウ糖が血液中に取り込まれる
  5. 血液中のブドウ糖濃度が高くなる
  6. 血糖値が上がる

血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンが分泌されます。

血糖値が下がる仕組み

  1. インスリンとインスリン受容体が結合する
  2. 細胞内にブドウ糖を取り入れる
  3. 血液中に過剰にあるブドウ糖は肝臓に貯蔵される
  4. 血液中のブドウ糖が減る
  5. 血糖値が下がる

インスリン受容体は、細胞内にブドウ糖を取り込むための扉です。

この扉にインスリンが結合すると、扉が開かれブドウ糖を細胞に取り込み始めます。

このように、細胞にブドウ糖を取り込み、血液中のブドウ糖濃度を減らして血糖値を下げる役目がインスリンです。

血糖値が下がらない原因はインスリン不足や抵抗性が関係している

血糖値が下がらない原因

血糖値が下がらない時は、インスリンの分泌低下や、インスリンの作用不足が関係しています。

インスリンが正常に分泌される人は、食後2〜3時間以内に食前の血糖値に戻ります。

これは、インスリン分泌から細胞にブドウ糖を取り込むまでの過程が、正常に機能しているためです。

しかし、高血糖が続く場合は、インスリン分泌からブドウ糖を細胞に取り込むまでの過程に何かしらの異常があります。

ブドウ糖を細胞に取り込めない原因は、以下のとおりです。

  • インスリンの働きが悪い、インスリン抵抗性
  • インスリン分泌不足

インスリン抵抗性の場合、インスリンは正常に分泌されています。

しかし、肥満などが原因でインスリンの働きが悪くなると、上手にブドウ糖を細胞に取り込めません。

繰り返される暴飲暴食によっても、インスリンの分泌が追いつけなくなり、さらにインスリンの働きも低下させます。

このように、血糖値が下がらない状態が続く原因は、インスリンの効果が発揮できていないためです。

インスリンの働きが悪く高血糖が続くと、膵臓はもっとインスリンを分泌させて、血糖値を下げようと頑張ります。

そして、頑張りすぎた膵臓は疲弊し、インスリンの分泌が追いつかずに血糖値を制御できなくなります。

血糖を低下させるホルモンはインスリンだけなため、インスリン分泌が不十分になると血糖値を下げられません。

そうなると、血液診断で空腹時血糖値やヘモグロビンA1c(HbA1c)の値が高くなり、糖尿病と診断される可能性があります。

空腹時血糖値とHbA1cの値は、以下のとおりです。

正常値正常高値境界型糖尿病型
空腹時血糖値〜99〜109〜125126〜
HbA1c〜5.5〜5.9〜6.46.5〜

血糖値が高い状態が続くと合併症が発生する

インスリンの効果が発揮されなくなると、血糖値が高い状態が続き、動脈硬化を引き起こします。

動脈硬化とは、動脈が硬くなって弾力性が失われ、血管が脆い状態のことをいいます。

動脈硬化が進行すると起こる合併症は、以下のとおりです。

  • 脳梗塞
  • 脳出血
  • くも膜下出血
  • 狭心症、心筋梗塞
  • 腎不全など

動脈硬化の合併症は、命に関わる重大な疾患が多くあります。

このような病気の発症を防ぐためには、動脈硬化の予防が大事です。

そのため、血糖値を安定させる必要があります。

シナモンは血糖値を安定させる効果がある

血糖値を安定化させる効果

シナモンは、インスリンの働きを改善させる効果があり、血糖値の安定化に役立ちます。

シナモンが血糖値を下げるといわれている理由は、以下のとおりです。

  • インスリン抵抗性の改善
  • インスリン感受性の向上、細胞がインスリンに反応する能力向上

インスリン抵抗性は、インスリンの分泌量は十分に保たれているが、インスリン受容体がうまく機能しないために細胞内にブドウ糖を取り込めない状態を指します。

インスリン抵抗性の原因は、肥満や内臓脂肪の蓄積です。

脂肪を過剰蓄積して大きくなった脂肪細胞は、インスリン作用を妨害する因子の分泌を上昇させます。

そして、インスリン作用を促進する因子の分泌を減少させるため、インスリンの反応性が低下します。

ここで、インスリンの作用を助けてくれるシナモンの出番です。

シナモンに含まれるプロアントシアニジンは、インスリンの分泌を促して効力を高める作用があるため、インスリン抵抗性を改善させます。

インスリン抵抗性が改善すると、インスリン感受性が向上して効果的にブドウ糖を細胞に取り込めるため、血糖値の安定化につながります。

シナモンは血糖値安定化以外にも健康効果がある

シナモンは、漢方薬としても使われているため、血糖値の安定化以外にも多くの健康効果があります。

シナモンの効果は、以下のとおりです。

  • 血行促進作用
  • 抗酸化作用
  • 抗炎症作用
  • コレステロール改善効果
  • 利尿作用
  • ダイエット効果
  • 胃腸の働きを助ける効果

これらのシナモンの効果によって起こる体への影響は、以下のとおりです。

  • 冷えの改善
  • 免疫力の向上
  • シワやくすみ、目のクマ改善
  • 胃もたれ、胃の痛みの改善
  • 風邪予防
  • むくみ予防と解消
  • 脂肪の分解を促す

シナモンは、血糖値を安定させるだけでなく、私たちの体に多くの良い影響を与えます。

シナモンの種類によっては肝毒性がある

肝臓に有害なものもあり

シナモンには、セイロンシナモンとカシアの二種類があり、カシアには肝臓に有害なクマリンが含まれています。

セイロンシナモンとカシアの特徴は、以下のとおりです。

セイロンシナモンスリランカ発祥甘味と品のある繊細な香り高価甘くマイルドな味
カシア東南アジアに自生独特な強い香り一般的に利用されるほんのり辛味があるクマリンが含まれている

セイロンシナモンは、クマリンの含有量は微量です。

しかし、カシアにはクマリンが多く含まれているため、継続して摂取すると肝臓の病気を引き起こす危険性があります。

シナモンは1日あたりの摂取目安量がある

シナモンに含まれるクマリンが肝臓の病気を引き起こす危険性があるため、シナモンは1日の摂取量の目安が設けられています。

セイロンシナモンの場合は、クマリンの含有量が微量なため、スパイスとして日常的に使用しても大丈夫です。

カシア1日あたりの摂取目安量は、体重60kgの成人では2g未満ですが、普段の食事で2gを超えるものはほとんどありません。

ドイツ連邦リスクアセスメント研究所は、クマリン1日摂取量の限度を0.1mg/kg体重/日と設定しました。

体重60kgの成人では、カシアを2g摂取するとクマリン1日摂取量の限度値6mgに達します。

このクマリン1日摂取量を超えるためには、星型シナモンクッキーを24枚、シナモンベーグルを4.8個摂取する必要があります。

シナモンサプリメントの場合も、サプリメントに表記されている1日摂取目安量を摂取しても、クマリン1日摂取量の限度は超えません。

しかし、シナモンサプリメントと他のシナモンが含まれた食品やスパイスを合わせて摂取する時は、クマリン1日摂取量の限度を超える可能性があります。

そのため、シナモンの摂取量を減らした方が良いでしょう。

さらに、肝疾患が既往にある人や感受性の高い人は、少量のクマリンでも肝障害を引き起こす危険性があります。

このような人は、クマリンの摂取量に気を付ける必要があります。

シナモンサプリメントを継続して摂取する場合は、クマリンの含有量が少ないセイロンシナモンを選ぶと良いです。

血糖値を安定させるシナモンを生活に取り入れる方法

シナモンを普段の生活に取り入れると、血糖値安定化を補助する役割があります。

シナモンは、香辛料や漢方薬剤、お菓子などにもよく使用されています。

シナモンが多く含まれている食べ物は、以下のとおりです。

  • シナモンロール
  • アップルパイ
  • シナモン入りのクッキーやドーナツ
  • チャイなど

これらの食べ物は高カロリーで糖分や脂質も多く含まれているため、摂取後急激に血糖値を上げてしまいます。

インスリン抵抗性がある人や糖尿病の人は、シナモンが体に良いからといって、このような食品を摂取すると逆効果です。

そのため、摂取する食品に気を配りながら、上手にシナモンを取り入れる必要があります。

シナモンは少しクセがあるため、どのように普段の生活に取り入れたら良いか分からない人もいるでしょう。

シナモンの活用方法として多いのは、コーヒーや紅茶だけでなく、ヨーグルトやトーストにシナモンを加える事例です。

シナモンを加えると、シナモンの香りがプラスされるため、風味と香りが豊かになります。

作り方も、シナモンパウダーを振りかけるだけで済ませられ、とても簡単です。

そして、シナモンは食材が持つ甘味を引き立てるスパイスでもあるため、砂糖の代用としても使えます。

シナモンを砂糖の代用として利用すると、普段使用している砂糖の量を減らせられるほか、血糖値の上昇を抑えられます。

スパイスとしてシナモンを使う場合には、カレーや焼き菓子に加えると独特なスパイシーさがプラスされるため、おすすめです。

シナモンは血糖値の安定化に役立つ

生活にシナモンを取り入れよう

シナモンは、血糖値の安定化に役立ちます。

シナモンに含まれる成分が、インスリンの抵抗性を改善させ、ブドウ糖を細胞に取り込めるように手助けする役割を果たします。

ただし、シナモンにはクマリンという成分が含まれており、これは肝臓に有害な成分です。

普段の食事では、クマリンの摂取量を気にする必要はありません。

しかし、シナモンサプリメントを摂取している人やクマリンに感受性がある人は、クマリンの摂取は適量を守りましょう。

シナモンは、血糖降下薬の代用にはなりませんが、インスリンの働きを手助けしてくれます。

血糖値が気になる人は、日々の生活にシナモンを取り入れてみてください。

この記事の監修者

東京医科大学を卒業後、複数の総合病院内科、東京医科大学病院 糖尿病代謝分泌科を経て、現在の四谷内科・内視鏡クリニックの副院長に就任。


糖尿病専門医でありながら、見逃されやすい内分泌疾患にも精通した総合的な診療をおこなう。

日本糖尿病学会
糖尿病専門医

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