最近、トイレに行く回数が増えたと悩んでいませんか?
その原因は単に水分の取りすぎや気のせいではなく、糖尿病の可能性があります。
糖尿病とはインスリンがなんらかの原因で機能しなくなり、血管内が高血糖の状態になる病気のことです。
高血糖は身体に悪い影響を与え、そのひとつとして頻尿を起こす場合があります。
頻尿の症状がある人は、糖尿病の可能性もあるので年齢や疲れのせいにせず、医療機関を受診してみましょう。
- 糖尿病の主な症状
- 頻尿とは
- 糖尿病によって頻尿が起こる原因
- 糖尿病の治療方法
糖尿病によって起こる頻尿の原因や治療について、糖尿病の症状も含め解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
糖尿病の主な症状は高血糖と低血糖
糖尿病の症状があらわれるのは、主に身体が高血糖になってからです。
糖尿病の初期症状は身体にあらわれにくいため、自覚なく過ごし続ける人もいます。
健康診断などで糖尿病の疑いがあると診断されたら、医師に相談しましょう。
医師は症状や検査の結果から糖尿病の進行度を見極め、専門的な治療方法を決定します。
以下に、高血糖の症状について説明します。
高血糖の症状
高血糖には、下記のような症状があります。
- 喉がよく渇く
- 多飲
- 多尿
- 体重減少
- 重症化すると意識障害を起こす
前述したように高血糖の症状があらわれていなくても、健康診断などをきっかけに糖尿病と診断される人は珍しくありません。
一方で、医療機関を受診した時にはすでに高血糖の症状があらわれている人もいます。
それぞれ医療機関を受診する理由は異なっても、早期に治療に取り組むという点ではどちらも重要です。
ほかにも心筋梗塞や脳梗塞になるケースもあり、命に関わる危険な状態になりかねません。
早めに糖尿病の治療を始めると、食事療法や運動療法だけで症状が改善する可能性も十分に期待できます。
糖尿病は、自分で病気の進行を察知するのが難しい病気です。
定期的に検診を受け、身体の健康状態を調べておきましょう。
一方糖尿病を患い、低血糖の状態になる場合もあるので以下に説明します。
低血糖の症状
低血糖になると、下記のような症状があらわれます。
- 空腹感
- 冷や汗
- 動悸
- 眠気
- 重症化すると昏睡状態になる
低血糖の症状があらわれるのは、主に糖尿病の治療目的で経口血糖降下薬やインスリン注射を利用している人です。
経口血糖降下薬やインスリン注射は、糖尿病の診断基準である血糖値やHba1cが高値を示す重度の人に使用されます。
低血糖を起こさないためにも、投与量を誤らないように使用するのが大事です。
糖尿病の治療以外に低血糖を起こす場合は、ほかの疾患が隠れていたり、すい臓に関わる手術を受けていたりするケースが考えられます。
気になる人は、医療機関で相談しましょう。
頻尿の原因や治療方法を解説
頻尿とは、排尿の回数が多い状態のことです。
頻尿は、朝起きてから夜寝るまでの間に8回以上排尿がある状態だと定義されています。
しかしこれには個人差があるので、ひとつの目安にしておきましょう。
このような状態では、身体的にも心理的にも負担がかかります。
症状ひとつでも放置すると悪化したり、心身の負担になったりするので、トイレに行く回数が増えたと感じる場合には医療機関に相談しましょう。
糖尿病によって頻尿になる2つの原因
糖尿病によって頻尿があらわれる原因は、高血糖の影響によるものと末梢神経の障害によるものの2種類です。
それぞれの原因を、下記に解説します。
高血糖の影響
高血糖の状態になると、水分を多くとるため頻尿になります。
この行為は、血管内の糖の濃度を下げようとする身体の働きです。
そのため、糖尿病の人は身体が血管内の糖の量を減らそうとしてよく喉が渇きます。
さらに、頻尿だと自覚するようになったら、糖尿病の合併症である糖尿病神経障害を発症している可能性もあるため、迅速な治療が求められます。
末梢神経の障害を受ける影響
上記のとおり、糖尿病が重症化するとあらわれる合併症のひとつが糖尿病性神経障害です。
この病気は、脳や脊髄からの命令を伝達するために身体に張り巡らされた末梢神経の障害によって起こります。
膀胱には筋肉があり、尿を出したり溜めたりする働きがあります。
しかし、神経の障害により膀胱の働きも阻害されるため、それぞれ次のような症状があらわれます。
症状 | |
---|---|
感覚神経障害 | 膀胱がわずかな刺激にも過剰に反応してしまう。尿が溜まっていなくても、膀胱が尿を出そうと働くため頻尿になる。 |
運動神経障害 | 膀胱の縮む力が低下してしまい、十分に尿を出しきれないため残尿が増える。残尿で膀胱が常に刺激されると尿意を感じやすくなり、頻尿になる。 ほかにも、残尿のある状態が続くと尿路感染症などの泌尿器疾患を引き起こす場合もある。 |
頻尿だと感じるようになったら、早めに医療機関に相談してください。
頻尿に対する主な治療
頻尿は日常生活に大きく影響し、数日、数週間と症状が続くと精神的にも負担になります。
頻尿は糖尿病の人にみられる症状のひとつであるため、頻尿を改善するには糖尿病の治療が最も効果的です。
糖尿病の治療に取り組んでいる中で頻尿の症状が全く改善しない場合は、他の疾患が考えられるため、別の対策が必要です。
・食後や空腹時の血糖値を抑制する
・インスリンの効き目を高め分泌を促す
など、糖尿病予防におけるポリフェノールの研究が進んでいます。
ぜひ、こちらの記事も確認してみてください。
薬科大学・国立大学が注目するポリフェノール研究
糖尿病の治療方法を紹介
糖尿病の治療方法は食事療法と運動療法、薬物療法の3種類です。
どの治療法を選択するかは、糖尿病の進行度に応じて異なります。
医師の指示のもと、適切な治療を受けるようにしましょう。
糖尿病を治すには生活習慣の改善が必要なため、時間をかけて向き合っていく必要があります。
食事療法で食生活を改善する
バランスのよい食事は糖尿病の進行を防ぎ、場合によっては病状の改善も見込めます。
食物繊維を豊富に摂取し、過食は控え、味付けも濃すぎないものへの変更が重要です。
糖尿病以外にも、生活習慣病といわれる疾患は数多く存在します。
食事の影響で他の病気に罹患する確率も高くなるため、食習慣に意識を持ち、事前に病気の予防をする心掛けが大切です。
運動療法で身体を動かす習慣を身につける
糖尿病には、運動が効果的です。
肥満になるとインスリンの働きを妨げるホルモンが放出されますが、運動で肥満が改善されると、再びインスリンの働きも良くなります。
その結果、筋肉などの細胞が糖を受け入れやすくなります。
ほかにも、運動によって筋肉の量を増やせるのは大事なポイントです。
このように、運動をすると良好な血糖コントロールが可能です。
糖尿病に有効な運動は、有酸素運動やレジスタンス運動といわれています。
それぞれ内容やメリットに違いがあるので、下記にまとめます。
有酸素運動 | レジスタンス運動 | |
---|---|---|
効果 | ・血糖値を下げる ・肥満を改善する ・インスリンの働きを助ける | ・筋肉量が増える ・体幹が鍛えられる |
運動時間 | ・1回30分以上 ・週に3~5日 | ・1回15~30分 ・週に2~3回 |
内容 | ・ウォーキング ・ジョギング ・水泳 ・ダンス | ・腹筋 ・スクワット ・腕立て伏せ |
強度 | ・無理のない範囲で実施する | ・少しきつい程度の状態で実施する |
メリット | ・血糖をコントロールし、合併症の予防ができる | ・筋肉量が増え、血糖値を下げる効果が得られる ・筋肉量が増えると基礎代謝も増え、ダイエット効果が得られる |
糖尿病の人に最も適した運動は、水泳などの水中運動です。
水中運動は、有酸素運動とレジスタンス運動の双方を取り入れるため、糖尿病改善に高い効果を発揮します。
水中運動をすぐに実施できない場合には、最初は1日3分間の体操をするところから運動習慣を身につけていきましょう。
糖尿病対策に食事療法や運動が重要なのは、どちらもインスリンの働きを高める効果があるためです。
もともと日本人はインスリンの分泌が少ないので、普段からインスリンの効き目を高める工夫が大切です。
インスリン量の分泌を増やすこちらの研究レポートもご確認ください。
薬物療法で血糖をコントロールする
糖尿病が進行している人には、血糖コントロールをするために経口血糖降下薬やインスリン注射が用いられます。
経口血糖降下薬やインスリン注射は、速やかに血糖値を下げるのに適した治療法です。
そのため、自己管理のできる人や家族が管理をしてくれる人のみ使用するのが良いでしょう。
適切な用法容量を理解し、経口血糖降下薬やインスリン注射を正しく利用してください。
頻尿を治すには糖尿病の治療が必要
頻尿が気になる場合、原因が糖尿病である可能性があります。
その場合、頻尿を改善するには根本の原因となっている糖尿病の治療が必要です。
糖尿病になると、頻尿以外にも口の渇きや水分の過剰摂取などの症状があらわれます。
それぞれの治療内容や留意点を十分理解して、治療に臨みましょう。
治療の効果がみられると、頻尿をはじめ口の渇きや水分の過剰摂取などの症状も緩和します。
糖尿病の治療に取り組んでも頻尿の改善がみられない場合は、他の疾患の影響が考えられます。
頻尿など身体に違和感が出てきたら、それは病気のサインです。
早期治療が大事であるため、気になる症状がある人は早めに医療機関に相談しましょう。
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