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血糖値スパイクとは?糖尿病との関係や原因や予防法を徹底解説

血糖値スパイクとは?糖尿病との関係や原因や予防法を徹底解説

血糖値スパイクは、糖尿病予備軍の人に多く発症する症状です。

通常の血糖値が正常であっても、食事後の血糖値が乱高下するのが血糖値スパイクの特徴なため、見過ごしてしまう人が多いでしょう。

ここでは、血糖値スパイクの特徴について解説します。

糖尿病との関係や予防法についても紹介しているため、糖尿病にならないように気をつけたい人やもしかしたら糖尿かもと心当たりがある人はぜひ参考にしてください。

この記事で分かること
  • 血糖値スパイクの特徴
  • 血糖値スパイクのリスク
  • 血糖値スパイクと糖尿病の関係性
  • 食事療法と運動療法の重要性
目次

血糖値スパイクとは

血糖値スパイクとは、食後の血糖値が急上昇した後に急降下する状態のことです。

正常な人の血糖値は、空腹時は99mg/dL以下、食後2時間は血糖値140 mg/dL以下となります。

血糖値の変動

通常、血糖値は食前や食後に変化しますが、変動の波は比較的緩やかです。

さらに、健康な人は食後2時間程度で食前とほぼ同じ値まで戻ります。

しかし、血糖値スパイクの人はなかなか血糖値が元に戻りません。

急激な乱高下は血管にダメージを与える可能性があり、動脈硬化のリスクが高まるといわれています。

血糖値スパイクの人は、空腹時の血糖値は正常なため、健康診断でも判断できない場合が多いのです。

血糖値スパイクの原因

血糖値スパイクの原因として挙げられるのが、インスリンの分泌機能の衰えです。

インスリンとは血糖値を下げるホルモンであり、血糖値が上昇するとすい臓から分泌されます。

血糖値の変動

体の中で血糖値を下げる役割があるのは、インスリンだけです。

すい臓の老化や肥満によってインスリンの分泌機能が衰えると、インスリンの分泌量が低下したり、分泌するタイミングが遅くなったりします。

インスリンの分泌機能の衰えは、ブドウ糖が細胞に届かない原因となり、血糖値の急激な上昇につながります。

血糖値の上昇をおさえるためにインスリンを大量に分泌してしまうため、血糖値の急降下を招いてしまうのです。

血糖値の急上昇や急降下は血管に大きなダメージをあたえてしまうため、心筋梗塞脳卒中による突然死のリスクが懸念されます。

突然死リスク大

日本人は元々インスリンの分泌量が少ない傾向にあります。
普段の生活からインスリンの効き目を高める工夫が大切です。
インスリン量の分泌を増やすこちらの研究レポートもご確認ください。

血糖値スパイクと糖尿病との関係性

血糖値スパイクと糖尿病との関係性

血糖値スパイクの症状が現れると、糖尿病になる可能性が高くなります。

そもそも糖尿病とは、インスリンが正常に働かず、血液中にブドウ糖が増えてしまう病気です。

血糖濃度が高いまま放置していると、血管が傷つき心臓病や腎不全などの症状が現れます。

血糖スパイクは食後のみ急激に血糖値が上昇するため健康診断では異常が発見されず、知らず知らずのうちに糖尿病予備軍になっている場合があるのです。

そのため、食後急激に眠くなったりだるさを感じたりする場合は、血糖値の乱高下をおこしているかもしれません。

血糖スパイクを早期に発見し、予防すると糖尿病になるリスクを軽減できます。

血糖値スパイクの症状

血糖値スパイクがもたらす症状は、以下の通りです。

血糖値スパイクがもたらす症状
  • イライラしやすくなる
  • 太りやすくなる
  • がんや認知症のリスクが高まる
  • 糖尿病予備軍となる
  • 頭痛や動機がおこる
  • 空腹感がある
  • 疲れやすくなる
  • 集中力が低下する

血糖値スパイクになると体の中で活性酸素が大量に発生し、血管がダメージを受けてしまいます。

糖尿病に似た症状を引き起こすため糖尿病予備軍といわれ、悪化すると糖尿病になる可能性もあるのです。

血糖値スパイクである人は推定1,400万人以上いるといわれており、日本人の10人に1人が当てはまります。

血糖値スパイクの人

血糖値スパイクがもたらすリスク

血糖値スパイクは心筋梗塞脳卒中のリスクだけでなく、糖尿病を引き起こす可能性もあります。

血糖値スパイクは食後の血糖値を測らなければ分からないため、なかなか発見されません。

血糖値スパイクの症状が出る人の特徴として、以下の項目が挙げられます。

血糖値スパイクの症状が出る人の特徴
  • 運動不足
  • 食べるスピードが早い
  • 塩分をとりすぎている
  • ストレスを溜め込んでいる
  • 睡眠不足である
  • バランスの良い食生活がおくれていない
  • 身内に糖尿病の人がいる

血糖値スパイクは誰もが発症する可能性がある病気なため、早い段階から予防するのが重要です。

血糖値スパイクの検診方法

血糖値スパイクの検査は、内科などで行えます。

血糖値スパイクの主な検査方法は以下の通りで、検査によって正確な糖代謝が判明します。

血糖値スパイクの主な検査方法
  1. 10〜16時間絶食する
  2. 空腹時の血糖値を測定する
  3. 75gのブドウ糖を飲む
  4. 30分、60分、90分それぞれで採血する

検査結果やHbA1cに異常が見られた場合は、血糖値スパイクもしくは糖尿病の疑いがあります。

HbA1cとは糖化ヘモグロビンをすべてのヘモグロビンから割り、どのくらいの割合を占めているかをパーセントで表したものです。

血糖値スパイクの検診は保険適用内となるため、自己負担が少なく済む特徴があります。

一方で、血糖値スパイクの検診は医療機関でしか検査を受けられないため時間や手間がかかります。

近年では、尿で血糖値スパイクを調べられる検査キットも発売されているため、自宅で検査したい場合は検査キットを活用しましょう。

血糖値スパイクを予防する食事療法

血糖値スパイクを予防する食事療法

血糖値スパイクの予防法は、主に食事療法です。

血糖値スパイクは、食生活を見直すと改善される可能性が高くなります。

食事療法では、病気を未然に防ぐ、病気を悪化させないなどの効果が期待できます。

食事療法をおこなう際は、病気に関する知識と健康な食事の知識が必要です。

食事療法の効果を得るためには、継続して続けるのが重要になります。

食事療法を行っている際は外食に抵抗がある人もいますが、病気と食事に関する正しい知識があれば外食ももちろん可能です。

ここでは、血糖値上昇を防ぐ食事方法や食事について解説します。

血糖値上昇を防ぐ食事方法

血糖値の上昇を防ぐためには、以下の項目に気をつけて食事をします。

血糖値上昇を防ぐ食事療法
  • よく噛んでゆっくり食べる
  • 野菜から先に食べる
  • 3食食べる
  • 腹8分目を心がける
  • 間食は控える

食事時は食べる順番を気にせず、炭水化物や好きなおかずから食べる人も多いのではないでしょうか。

空腹時に摂取した食材の吸収は早く、血糖値の急激な上昇につながります。

とくに朝食などを抜き食事の間隔が空いている場合は、栄養の吸収もより早くなります。

血糖値の急激な上昇を防ぐためには先に野菜を摂取し、しっかり噛んでゆっくり食べるのが大切です。

糖質をおさえた食材を選択した場合でも、しっかり噛まないと満足感が得られず、食べる量が増えてしまいます。

食事療法で食べる量や順番、摂取カロリーなどの見直しによって、血糖値の上昇を防ぐ効果が期待できます。

血糖値の上昇を防ぐ食材を摂取する

血糖値の上昇を防ぐ食材を摂取する

血糖値の上昇を防ぐためには、糖質が少ない食材を選択しましょう。

さらにタンパク質脂質食物繊維を含む食材と野菜を同時に取り入れると、炭水化物の吸収が緩やかになります。

血糖値が上がりにくい食材と上がりやすい食材は、以下の通りです。

血糖値食材
血糖値が上がりにくい食材玄米
そば
ナッツ
春雨
海藻類
トマト
オクラ
ハイカカオチョコレート
バナナ
ブラックコーヒー
緑茶
牛乳
血糖値が上がりやすい食材白米
うどん
じゃがいも
ケーキ
清涼飲料水
微糖コーヒー
スポーツドリンク

血糖値が下がりやすい食材は、糖の吸収が緩やかで血糖値の急激な上昇をおさえられます。

一方で、血糖値が上がりやすい食材は、すぐにエネルギーに変換される炭水化物が多い食材となります。

血糖値の上昇を防ぐために炭水化物を控えすぎると、かえってタンパク質や脂質を過剰摂取してしまうため栄養バランスが悪くなります。

炭水化物は控えめにして、バランスの良い食事を心がけましょう。

近年の研究で、ポリフェノールには糖分の吸収や血糖値の上昇を抑える効果がわかってきています。
摂取すべきポリフェノールの種類や効果については、以下の記事も参考にしてください。

アカシアポリフェノール-糖尿病撃退の決め手になる!薬科大学・国立大学が注目する効果とは

血糖値スパイクを予防する運動療法

血糖値の上昇を防ぐためには、食事療法だけでなく運動療法も重要です。

運動療法は有酸素運動と無酸素運動、筋力トレーニングの3種類があり、障害や疾患の治療の一環として行なわれます。

個人差はあるものの、食後1〜2時間程度の運動をおこなうと血糖値の上昇が緩やかになります。

運動療法

運動療法をおこなう目安は、高齢者は1日40分以上の有酸素運動や筋力トレーニングを週3日以上、成人で1日60分程度の息が弾み汗をかく程度の運動を週2〜3日程度です。

運動療法をおこなう目安

歩数で表すと高齢者は1日6,000歩以上、成人は1日8,000歩以上になります。

有酸素運動など負荷がかかりやすいものは、20分以上おこなうと効果が期待できます。

運動内容によっては負荷がかかりやすいものもあるため、軽いジョギングウォーキング階段の上り下りなどの運動が初心者はとりいれやすいでしょう。

血糖値スパイクは正しい知識を身につけ対処すると予防できる

血糖値スパイクは日ごろからの食生活の乱れ運動不足により、発症するリスクが高まります。

ストレスやアルコールの過剰摂取、睡眠不足なども原因となり、知らないうちに発症している場合もあります。

さらに、血糖値スパイクは脳卒中心筋梗塞糖尿病などを引き起こす可能性があるともいわれているのです。

血糖値スパイクから糖尿病になると、症状が改善される可能性はあっても完治はしません

食生活の乱れや運動不足により、血糖値スパイクの症状が出ている人は、食事療法や運動療法を取り入れて生活習慣を見直しましょう。

血糖値スパイクを予防しよう!

この記事の監修者

東京医科大学を卒業後、複数の総合病院内科、東京医科大学病院 糖尿病代謝分泌科を経て、現在の四谷内科・内視鏡クリニックの副院長に就任。


糖尿病専門医でありながら、見逃されやすい内分泌疾患にも精通した総合的な診療をおこなう。

日本糖尿病学会
糖尿病専門医

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