血糖値の上昇は食事や運動など、日常生活の乱れが主な原因になっています。
ストレスも血糖値を上昇させる原因の1つであり、ストレスをためすぎると高血糖や糖尿病に発展する可能性があります。
この記事では、血糖値の上昇とストレスの関連性やストレスをためない対策方法などをまとめました。
- 血糖値が上昇する主な原因
- ストレスを感じた際の血糖値への影響
- ストレスをためないための対策
日頃からストレスがたまっていると感じる人は、血糖値上昇の予防のためにも参考にしてください。
血糖値は糖分の過剰摂取やインスリンの異常により慢性的に上昇する
血糖値は血液中の糖分量を示す数値であり、数値が高い状態が慢性化すると糖尿病を発症する原因になります。
健康状態に問題がない場合、通常は以下の方法で血糖値は正常な数値に戻されます。
- 糖分を摂取した場合、体内でブドウ糖に変換されて、血糖値が一時的に上昇する
- すい臓からホルモンの一種であるインスリンが分泌されて、ブドウ糖を取り込む
- 運動などでエネルギーを使うとき、ブドウ糖が消費される
- 余ったブドウ糖はグリコーゲンや中性脂肪に合成され貯蓄される
- 消費と貯蓄で糖分量が減少して、血糖値が下がる
しかし、糖分の過剰摂取やインスリンの働きが弱まっていると、血液中のブドウ糖を消費しきれません。
余ったブドウ糖が残り続けると血糖値が高くなり始め、慢性化すると高血糖の状態になってしまいます。
ストレスを始めとした血糖値上昇の原因は、過剰摂取やインスリンに対して悪影響を及ぼしてしまいます。
肥満や運動不足といった不健康な生活スタイルが血糖値上昇の原因になる
血糖値上昇になる主な原因は、以下のとおりです。
- 過食・偏食:糖分や肥満につながる脂質の過剰摂取の原因になる
- 肥満:インスリンの働きを弱くする
- 運動不足:ブドウ糖のエネルギー消費ができずに、血糖値を上昇させる
食事や運動は血糖値の変動に大きく関わっているため、日常生活が乱れていると血糖値に反映されてしまいます。
上記に加えて、以下に該当する人は血糖値に影響が出て、糖尿病を発症するリスクが高くなります。
- 高血圧:肥満など高血糖と同じ状態に該当する人が多い
- 喫煙:人体へのさまざまな悪影響から吸わない人よりもリスクが高まる
- 過度な飲酒:アルコールの過剰摂取から起こる症状が血糖値を不安定にする
飲食や喫煙は自分で摂取しないように意識するなど、物理的に制限をかけると一定の対策は可能です。
運動不足についても、自分から継続的に運動を行う方法によりエネルギー消費を促せます。
しかし、ストレスの場合は心理的な部分で負担がかかっているため、他の原因よりも対策が難しくなります。
ストレスはさまざまホルモンを分泌させて血糖値上昇をまねく
ストレスが血糖値の上昇に繋がる流れは、以下のとおりです。
- 心理的ストレスを感じたとき、自律神経の交感神経が活発になる
- アドレナリンやコルチゾール、甲状腺ホルモンなどのホルモンが分泌される
- さまざまなホルモンの作用によって血糖値の上昇が促される
- 常にストレスを感じ続けていると、血糖値の上昇も慢性化する
アドレナリンは身体のパフォーマンスを向上させるホルモンですが、過剰に分泌されると身体に負担がかかります。
ストレスは目に見えないため、血糖値の上昇にストレスが必ず絡んでいるとは断定できません。
しかし、ストレスがたまっている自覚がある人や次の誤ったストレス解消を行っている人は、警戒する必要があります。
ストレスにより分泌が促されたホルモンの影響で血糖値が上がることがあります。
血糖値を下げる作用のあるホルモンはインスリンのみです。
血糖値が気になる方は、インスリンの効き目を高める機能があるポリフェノールの摂取などもオススメです。
インスリンの働きを高めて空腹時血糖値を抑える成分
誤った方法でストレスを解消すると別の原因で血糖値が上昇してしまう
ストレスによる血糖値上昇を防ぐためには、ストレスを解消するのが1番の対策です。
しかし、ストレス解消方法として飲食で好きなものを摂取する人は、摂取量に気をつけなければいけません。
過度な食事量や飲酒になってしまうと、肥満などの別の原因から血糖値を上昇させてしまう可能性があります。
ストレスを解消できていると思っている人でも、別の血糖値上昇の原因になっていないか振り返っておきましょう。
喫煙は完全にやめるのが推奨されますが、食事や飲酒は適量であればストレス対策として十分効果的です。
ストレスをためないためにはストレスの根本的な原因を分析する必要がある
正しいストレスの解消方法を見つけるためには、自分が何に対してストレスを感じているか分析する必要があります。
美味しい物を食べて一時的にストレスを解消しても、根本的な原因が解決しないとストレスはたまり続けます。
ストレスの原因として考えられる例は、以下のとおりです。
- 職場:人間関係や仕事の出来、やりがいなど
- 家庭:家族との関係性や将来に対する考え、貯金など
- 友人:付き合いの必要性や距離感など
- 居住環境:部屋の雰囲気や周囲の物音、利便性など
- 病気:心の病や糖尿病を含めた持病に対する心配事など
- メディア:不快に感じるニュースやSNSの利用など
上記以外にも些細な出来事で感じたストレスが日々たまっていって、交感神経を活発にさせている可能性があります。
根本的な原因が見えてきた後は、ストレスを解消するために次の方法を試してみましょう。
継続するのが義務的にならない趣味や娯楽を見つけてストレスを解消する
日常的に実践している人が多いのは、趣味や娯楽によるストレス解消です。
ストレスの根本的な解決が難しい場合でも、楽しみによって解消できればストレスをためないようにできます。
食べ過ぎなどの健康面に影響が出ない趣味や娯楽は、最も簡単にできて効果的な対策方法です。
趣味にお金を使い過ぎた後悔からストレスがたまるなど、身の丈に合わない趣味や娯楽を始めるのは推奨できません。
あくまで自分が楽しんでストレスを解消できるように、適した趣味や娯楽を見つけましょう。
継続的な運動はストレス解消とともに運動不足の解消で二重の対策になる
継続的な運動はストレスの解消方法であるのと同時に、運動不足の解消から血糖値の上昇を抑えられる対策方法です。
運動不足の人よりも定期的に運動している人の方が、メンタルが安定する傾向があります。
糖尿病や高血糖の治療としても運動療法が用いられており、有酸素運動によって以下の効果が期待できます。
- 有酸素運動によってインスリンの働きが高まる
- 糖質や脂質をエネルギー消費して、血糖値の上昇や肥満対策になる
- 運動による筋肉量の増加から基礎代謝が上昇して、運動していないときもエネルギー消費量が増える
ただし、運動する行為自体にストレスを感じる人は、ストレスに対して必ずしも効果的になるとは言えません。
健康面で考えると運動はした方が良いですが、自分が苦にならない範囲でなるべく継続させましょう。
運動によってインスリンの働きを高めることができます。
また食事面からの対策も併せて行うと効果的です。
食事面での対策を知りたい方はこちらの記事もぜひ参考にしてください。
仕事を休む以外にも人間関係やメディアとの繋がりを切って休養をとる
趣味や運動でもストレスを解消しきれない場合は、日々のストレスがかなりたまっている可能性があります。
簡単に休みが取れない環境の人もいるかもしれませんが、できるだけ仕事や家事を休んで休養を取りましょう。
対人関係でストレスを感じている場合は、職場だけでなく友人との連絡やSNSの利用を一旦止めるのも休養の1つです。
日頃から見ているテレビやネットのニュースからも、自分が好まない内容からストレスを感じている場合があります。
職場や家庭における居場所や見える範囲の環境を少し変化させてみる
休養してもストレスが解消されない人やそもそもストレスを解消する暇がない人は、環境を変えるのも1つの手段です。
そもそも休養を取れないような職場や家庭環境は、ストレス以外の危険性もはらんでいます。
心身ともに健康でいるためにも、転職や移転して家族と距離を置くよう検討しましょう。
一方で、転職や家族と距離を置くほどではない人も、以下のように少しずつ環境を変えられます。
- 通勤や買い物へ行くルートを変える
- 部屋の模様替えをする
- 担当部署や上司が変えられるように頼んでみる
微々たる変化でも見える景色や感じ取る雰囲気の違いから、ストレスが軽減される可能性は十分あります。
ストレスの原因を分析して解消しながら血糖値の上昇を対策していく
血糖値の上昇は食事と運動以外にも、ストレスによる過剰なホルモン分泌から引き起こされる場合があります。
ストレスの解消により対策は可能ですが、過度な飲食や喫煙など誤った方法で行うのは推奨できません。
根本的な原因の解決が難しい場合は趣味や娯楽、運動からメンタルを安定させるのを目指しましょう。
一方で、楽しむだけではストレスを解消しきれない場合は、休養や環境を変化させてストレスを軽減させていきます。
少しでもストレスがたまっている実感がある人は、血糖値の上昇の対策として分析や解消を実践してみてください。
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