糖質制限は、ダイエットの手法の代表例として広く利用されています。
糖質制限とは、糖質を多く含有する白飯やパンなどの主食を減らす一方で、肉類や魚類および野菜類を積極的に食べて糖質摂取量を制限する方法のことです。
糖質制限を実施する際は、食材ごとの糖質量を把握して、食べてもよいものと避けた方がよいものを区別しておくとよいでしょう。
今回は、糖質制限中に食べてもよいものを一覧表の形式で紹介します。
糖質制限の健康上の利点や、実施の際の注意点および欠点についても解説します。
- 糖質制限中は1日当たり糖質摂取を130gに抑えるのが理想的
- 糖質量から食べてもよいものと避けた方がよい食材を区別する
- 糖質制限は血糖値の上昇を抑える効果も期待できる
- 極端な糖質制限は身体に悪影響を与えるため避ける
- 中長期的な視点で長い期間取り組むのが重要
- 糖質制限中は低血糖や便秘などの欠点にも配慮する
糖質制限中に食べてもよいものを把握して、効果的なダイエットを実施しましょう。
糖質制限中に意識したい1日当たりの糖質摂取量の目安を知ろう
糖質制限中は、1日当たりの糖質摂取量の目安を理解しておくと、毎日の適切な食事を考える際に役に立ちます。
1日3食のレシピを考える際も、食材ごとの糖質量を算出して想定する1日の糖質制限量を超過しないように配慮できます。
ご自身が目指す目標に見合った1日当たりの糖質摂取量を把握して、食事の準備に取り組みましょう。
糖質制限中の糖質摂取量について、考慮したいポイントを以下に4つ紹介します。
- 1日に必要な総エネルギー量から適切な糖質摂取量を計算する
- 糖質制限は度合いにより3段階に区分できる
- ロカボの考え方では1日当たり130gが理想的
- 糖質が1食40gの食材例
毎日の食事を準備する際に、参考にしてください。
1日に必要な総エネルギー量から適切な糖質摂取量を計算する
ご自身の適切な糖質摂取量を考える際には、1日に必要な総エネルギー量から計算する方法があります。
厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、男女ともに糖質摂取量の目標は、生活に必要な総エネルギー量の50~65%とされています。
(参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)
たとえば、1日の総エネルギー量が2,000kcalの人は、糖質により1,000~1,300kcalのエネルギーを摂取するのが適正量です。
糖質のエネルギー量は1g当たり4kcalであるため、1日の糖質摂取量は250~325gが目標と計算できます。
1日に必要な総エネルギー量は、年齢や性別によって異なるため、ご自身の状況を確認して適切な糖質摂取量を算出してみましょう。
糖質制限は度合いにより3段階に区分できる
糖質制限は、糖質摂取量の目安の度合いにより以下の3段階に区分できます。
- 強め:70g以下
- 普通:100g以下
- ゆるめ:130g以下
糖質を減らせば減らすほど、高いダイエット効果が期待できます。
しかし、糖質制限実施前は一般的な食生活で暮らしてきた人にとって、急に強めの制限を実施するのは食生活を大きく変化させないといけません。
まずは、ゆるめの130g以下から開始して、徐々に度合いを高めていくのが一般的な対応方法です。
糖質制限は、本来は糖尿病リスクなどを軽減する目的で、専門医の指導のもと実施します。
ご自身の判断で強度の高い糖質制限を実施すると、逆に健康を害する恐れがあります。
糖質制限を実施する際は、度合いを考慮して急激に生活が変化しないように段階的に実施するのがよいでしょう。
ロカボの考え方では1日当たり130gが理想的
糖質制限の度合いのうちゆるめの130gの段階は、ロカボと呼ばれるケースがあります。
ロカボとは、Low Carbohydrateの略語で、低炭水化物の意味の言葉です。
糖質の摂取量を大幅に下げるのではなく、適度に少なくして食事をおいしく楽しみながら食べて健康になるための食事法を指します。
ロカボを意識した食事の特徴は、以下の通りです。
- 1日の糖質量を70〜130g以下にする
- 1食当たりの糖質量は20〜40gでデザートは10g以下にとどめる
- 制限するのは糖質のみ
- 脂質やたんぱく質などに制限をしない
- 甘さは低糖質甘味料を効果的に活用する
無理せず楽しみながら糖質制限を実践するロカボの考え方は、初めて糖質制限に取り組む人に適した食事方法といえるでしょう。
糖質が1食40gの食材例
ロカボの食事を目指すためには、1食当たり40g程度の糖質摂取を心がける必要があります。
糖質が40gの食材の目安として、以下の例を紹介します。
- 白飯:約110g(通常の茶碗3分の2程度)
- 食パン:約95g(市販の4枚切り1枚程度)
- そば:約170g(通常の1.5人前程度)
主菜に用いられるケースが多い肉や魚には、ほとんど糖質が含まれていないため、主食の分量を第一に考慮すると糖質量の管理が可能です。
しかし、調味料や他のおかずの食材によっては糖質を多く含むものもあるため、食材選びには十分配慮する必要があります。
食材ごとの糖質含有量を理解するのが、糖質制限を上手に実施するために必須といえるでしょう。
近年の研究では、ポリフェノールの一種に体内での糖質の吸収を抑える働きがあることがわかっています。
普段の食事にポリフェノールを取り入れるなど、少しずつ対策と工夫をしていきましょう。
詳しく知りたい方は「糖質の吸収を抑え、食後血糖値が上がりにくくする成分」の記事をご覧ください。
糖質制限中に食べていいものを食材の種類ごとに解説
糖質制限中に食べてもよいものと食べるのを控えた方がよいものをあらかじめ理解しておいた方が、制限取り組み中に迷わずにすみます。
制限活動中は、1日の糖質摂取量をコントロールする必要があるため、食材ごとの糖質量を計算して目標摂取量を上回らないようにする必要があります。
食材の種類ごとに糖質量を把握しておくと、1日の献立を考える際に参考になるため、まとめておくとよいでしょう。
糖質制限中に食べてもよいものと控える方がよいものを、以下の食材の種類ごとに紹介します。
- 穀類
- 肉類
- 魚類
- 野菜類
- 果物類
- 菓子やデザート類
- 飲料類
- アルコール類
糖質の高い食材を控えるようにするため、今回紹介する内容をぜひ参考にしてください。
*糖質量の数値は、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を参考にしています。
主食になるケースが多く糖質量が多めの穀類
食べてもよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
玄米(炊飯) | 34.2g |
全粒粉パン | 41.0g |
ライ麦パン | 47.1g |
避けた方がよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
白米 | 35.6g |
食パン | 42.2g |
うどん | 20.3g |
炭水化物が主な成分である穀類は、主食になるケースが多い食材です。
いずれも糖質量が多めであるため、糖質制限中には特に配慮したい分類といえるでしょう。
一方、玄米や全粒粉パンなどは糖質量自体は決して少なくありませんが、食物繊維やミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。
穀類を利用する際は、糖質量に加えて食物繊維など他の栄養素の分量にも配慮するとよいでしょう。
低糖質かつ高タンパクでダイエットに適した肉類
食べてもよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
鶏もも肉 | 0g |
豚ロース肉 | 0g |
牛バラ肉 | 0g |
避けた方がよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
チキンナゲット | 13.7g |
鶏のから揚げ | 12.5g |
豚ヒレとんかつ | 14.1g |
肉類は低糖質で高タンパクであるため、糖質制限中に積極的に摂取したい食材の1つです。
タンパク質は、身体の組織や筋肉を作るだけではなく、エネルギー源としても働きます。
糖質制限中、肉類はいずれも食べてもよいものとして考えて問題ありませんが、チキンナゲットやから揚げなど調理方法や味付けによっては控えた方がよい場合もあります。
低糖質で良質な脂質を豊富に含む魚類
食べてもよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
真あじ(焼き) | 0.1g |
生かつお | 0.1g |
生まぐろ | 0.3g |
避けた方がよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
桜デンブ | 80.2g |
ツナ | 9.9g |
鮭フレーク | 7.3g |
魚類は、肉類と同様に低糖質で高タンパクであるため、糖質制限中に適した食材です。
肉類と異なる点として、良質な脂質が豊富に含まれている点が挙げられます。
特に、オメガ3脂肪酸はサケやマグロなどの青魚に豊富に含まれており、定期的な摂取が推奨されています。
一方、ツナや鮭フレークなど加工された魚類の食材は糖質が多く含まれているため、糖質制限中には避けた方がよいでしょう。
ビタミンや食物繊維の豊富な野菜
食べてもよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
ほうれん草 | 0.4g |
なす | 2.4g |
大根 | 2.3g |
避けた方がよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
かぼちゃ | 17.2g |
れんこん | 13.8g |
スイートコーンの缶詰 | 16.8g |
野菜類は、低糖質でミネラルやビタミンを多く含んでいるため、糖質制限中に積極的に摂取したい食材の代表例といえるでしょう。
特に、ほうれん草やレタスなどの葉物野菜は糖質が少ないため、献立の中心にして問題ありません。
一方、かぼちゃやれんこんなど一部の野菜は糖質を多く含んでいるため選択の際は気を付ける必要があります。
穀類と比較すると糖質が少ないため、穀類以外で甘味を献立に加える目的で、かぼちゃなど甘みのある食材を選択するのも糖質制限中に適しています。
食物繊維が豊富だが糖質の高いものもある果物
食べてもよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
アボカド | 2.3g |
いちご | 7.1g |
ラズベリー | 5.5g |
避けた方がよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
りんごジャム | 51.9g |
乾燥いちご | 79.8g |
ドライマンゴー | 78.5g |
果物は野菜に比べて糖質が多い食材が多いですが、穀類よりは少ないため、糖質制限中に取り入れたい種類の1つです。
ビタミンや食物繊維も豊富に含んでいるため、栄養バランスの維持や便秘予防に効果があります。
いちごなどベリー類は特に糖質が少なく、糖質制限中のデザートとして適しています。
アボカドも糖質が少ない食材であるため、サラダなどに入れるとよいでしょう。
一方、ドライフルーツやジャム類は、果物が素材の食材の中でも特に糖質が多いため控える必要があります。
果物を糖質制限中に食べる際は、生で新鮮な状態のものが適しています。
砂糖使用量が多く糖質制限中は控えたい菓子やデザート類
食べてもよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
くるみ | 4.2g |
アーモンド | 9.7g |
牛乳寒天 | 11.7g |
避けた方がよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
ポテトチップス | 50.5g |
ショートケーキ | 41.8g |
栗まんじゅう | 64.8g |
菓子やデザート類は、ほとんどが砂糖を多く使用しているため、糖質制限中は控える必要があります。
菓子類の中では、くるみやアーモンドなどのナッツ系のものを少量食べるのが適しています。
ナッツ類は良質な脂質が豊富に含まれているため、栄養バランスの補強に役に立つ食材です。
どうしても菓子やデザートを食べたい場合は、砂糖を使わずに自分で調理する方法も検討しましょう。
糖質の多いジュースは注意したい飲料類
飲んでもよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
玉露茶 | 0g |
無糖コーヒー | 0.7g |
ウーロン茶 | 0.1g |
避けた方がよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
サイダー | 10.2g |
野菜ジュース | 6.8g |
コーラ | 11.4g |
飲料類のうち、水やお茶および無糖コーヒーにはほとんど糖質が含まれていません。
水分補給は健康維持に欠かせないため、糖質制限中は水やお茶系などの飲料を積極的に摂取しましょう。
一方、市販されている飲料はほとんどに砂糖が多く使われているため、控える必要があります。
コーラやサイダーはもちろん、野菜ジュースにも配慮する必要があります。
野菜ジュースはビタミンやミネラルなど豊富な栄養が含まれた健康食品ですが、糖質が多い商品が多いため糖質制限中は過剰摂取に注意が必要な飲料です。
糖質が低くても血糖に影響する場合もあるアルコール類
飲んでもよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
焼酎 | 0g |
ウイスキー | 0g |
ジン | 0.1g |
避けた方がよいもの
食材名 | 100g当たり糖質量 |
---|---|
白酒 | 48.1g |
梅酒 | 20.7g |
ビール | 3.1g |
糖質制限中にアルコール類を飲みたい場合は、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を選択した方がよいです。
アルコール類と合わせておつまみなどを食べる場合も多く、過剰な糖質摂取につながってしまうリスクが高いです。
さらに、過剰なアルコール摂取は血糖値の上昇を促進する可能性もあるため、糖質制限中は控えめに楽しむとよいでしょう。
糖質制限中に食べていいものと避けたいものの一覧表
以上で紹介した糖質制限中に食べていいものと控えた方がいいものについて、以下で一覧表にしてまとめます。
糖質制限中の献立を考える際に、ぜひ参考にしてください。
種類 | 食べてもよいもの | 避けた方がよいもの |
---|---|---|
穀類 | 玄米(炊飯) 全粒粉パン ライ麦パン | 白米 食パン うどん |
肉類 | 鶏もも 肉豚ロース 肉牛バラ肉 | チキンナゲット 鶏のから揚げ 豚ヒレとんかつ |
魚類 | 真あじ(焼き) 生かつお 生まぐろ | 桜デンブ ツナ 鮭フレーク |
野菜類 | ほうれん草 なす 大根 | かぼちゃ れんこん スイートコーンの缶詰 |
果物類 | アボカド いちご ラズベリー | りんごジャム 乾燥いちご ドライマンゴー |
菓子やデザート | くるみ アーモンド 牛乳寒天 | ポテトチップス ショートケーキ 栗饅頭 |
飲料類 | 玉露茶 無糖コーヒー ウーロン茶 | サイダー 野菜ジュース コーラ |
アルコール類 | 焼酎 ウイスキー ジン | 白酒 梅酒 ビール |
ブルーベリーなどに多く含まれるプロアントシアニジンには、糖の吸収を抑えたり、血糖値の上昇を抑制する効果が確認されています。
プロアントシアニジンを多く含む食材を意識するなども心がけるとよいでしょう。
プロアントシアニジンを多く含む食品一覧
糖質制限によるダイエットは健康を維持する上での利点がある
ダイエットの手法はいくつかありますが、糖質制限は健康を維持する上でも利点がある方法です。
ダイエットを目的として何らかの方法に取り組んだ結果、健康を損ねてしまっては意味がありません。
数あるダイエット方法の中で、糖質制限を選択する利点といえば、血糖値の上昇を抑えられる点が挙げられます。
以下で糖質制限によって得られる血糖値上昇の抑制に関してまとめています。
さらに、食事による糖質制限が難しい人でも取り組める方法について解説するため、これから糖質制限に取り組もうと検討している人は参考にしてください。
血糖値の上昇を抑えたダイエットができる
糖質制限によるダイエットは、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。
ダイエットを達成するには、カロリー摂取量を抑えるのが最短の道です。
カロリーは糖質だけではなく、タンパク質および脂質からも摂取できます。
以上の中で、糖質のみが唯一血糖値を高める作用がある栄養素です。
さらに、糖質制限は効率よくダイエットができる仕組みでもある方法です。
体内で糖質が不足すると、エネルギー不足を補うために体内に蓄積されている脂肪をエネルギーに変換します。
糖質制限は、血糖値の上昇を抑えながら、効率よくダイエットができる方法といえるでしょう。
食べ物での糖質制限が難しい場合はサプリメントを活用
本来、糖質制限は食事をコントロールして実施する方法です。
食事での対応が難しい場合には、サプリメントを活用する方法があります。
白飯が好きで、毎日の食事での量を減らしたくないという人にとっては、サプリメントの活用が適しているといえるでしょう。
たとえば、食後の血糖値上昇を抑える効果のあるサプリメントがあります。
錠剤タイプのサプリメントを決められた量飲むだけで血糖値の上昇が抑えられるため、手軽に利用できます。
糖質を多く含んだ食事が好きで制限をしたくない人など、食事で糖質制限が難しい人は、サプリメントの活用を検討するとよいでしょう。
糖質制限ダイエットを実施する際に心がけておきたい点もある
糖質制限によるダイエットには血糖値を上昇させない利点がありますが、取り組む際には注意したいポイントもあります。
誤った方法で取り組むと、逆に健康被害につながりかねません。
糖質制限を実施して効果が出ないからといって、すぐに中断するのも誤った対応です。
糖質制限ダイエットに取り組む際は、注意したいポイントを押さえて、正しく実施しましょう。
糖質制限ダイエットを実施する際に心がけておきたいポイントについて、主なものを以下に2点紹介します。
- 極端な糖質制限は身体に危険を及ぼす
- 中長期的に継続して実施する
健康を害さずにダイエットを成功させられるよう、正しい糖質制限の取り組み方を理解してください。
極端な糖質制限は身体に危険を及ぼす
極端な糖質制限を実施すると、身体に危険を及ぼす可能性があります。
糖質は、人間が活動するためのエネルギー源となるため、不足すると日常生活に支障を来す場合が多いです。
特に脳が活動するエネルギーとして糖質は必須であるため、不足した場合はイライラが収まらなくなったり頭痛を引き起こしたりしてしまいかねません。
(参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)
低血糖になると身体にさまざまなトラブルが引き起こる可能性が高くなるため、最低限の糖質の摂取を心がけましょう。
エネルギー不足を防ぐため、最低限の糖質を確保しつつ、タンパク質や脂質を積極的に摂取するのも大切です。
中長期的に継続して実施する
糖質制限は、中長期的な視点で継続して実施する必要があります。
糖質を制限して体内の脂質が継続的に変換されるためには、2週間程度の時間がかかります。
糖質制限を始めて短期間で体重の減少がみられる場合がありますが、一時的に水分が減少した場合が多いです。
糖質制限ダイエットは長期的な継続が前提の手法であるため、無理のない範囲で継続して実施しましょう。
目標の体重減少を達成したら、リバウンドを防ぐため急に元の食生活に戻すのではなく、徐々に糖質の摂取量を増やすのが正しい取り組み方です。
糖質制限を実施する際には利点のみではなく欠点も理解しよう
糖質制限を実施する際は、紹介した糖質上昇の抑制などの利点や急激な糖質制限を避ける点などに加え、欠点についても理解しておく必要があります。
実施する人の体質によっては、正しく糖質制限に取り組んだとしても、身体に何らかの支障が及ぶ場合があります。
糖質制限の実施を決める前に、どのような欠点があるのかあらかじめ知っておくとよいでしょう。
糖質制限の実施により発生する可能性がある欠点として、主なものを以下に4点紹介します。
- 低血糖にならないように配慮する
- 便秘になる可能性がある
- リバウンドのリスクがある
- 脳の栄養不足に陥らないか意識する必要がある
利点と欠点の両面を正しく理解して、糖質制限の実施の可否を決めるのが大切です。
低血糖にならないように配慮する
糖質制限を実施する際には、低血糖にならないように配慮する必要があります。
過度な糖質制限により、低血糖になるリスクが高くなります。
低血糖の状態が継続すると、血糖値の調整機能が正常に働かなくなる場合があり、さまざまな症状を発症するかもしれません。
軽度の低血糖の場合は、以下のような症状がみられます。
- 発汗
- 神経質
- ふるえ
- 失神
- 動悸
重度の低血糖が継続した場合、以下のような重篤な症状が発症するかもしれません。
- めまい
- 疲労感
- 筋力低下
- 頭痛
- 集中力の欠如
早く痩せたいからといって過度な糖質制限をすると、低血糖のリスクが高まります。
最低限の糖質摂取を維持しながら、適切な程度で糖質制限をするのが大切です。
目標にしていたダイエットの結果が得られた場合、糖質制限は継続せず徐々に糖質摂取量を増やすほうがよいでしょう。
便秘になる可能性がある
糖質制限を実施すると、便秘になる可能性が高くなります。
糖質制限により米やパンなどに含まれる炭水化物の摂取量を減らすと、同時に食物繊維の摂取量も減少するケースが多いです。
さらに、糖質が多い食品には水分が豊富に含まれているケースが多いため、糖質制限により水分摂取量が減少する場合もあります。
糖質制限を実施している最中は、糖質の摂取量を意識するのはもちろん、水分と食物繊維の摂取を積極的に行い便秘にならないよう対応しましょう。
リバウンドのリスクがある
糖質制限実施後、ダイエットに成功したからと油断していると、リバウンドを引き起こすリスクがあります。
糖質制限により摂取エネルギーを減らしていると、身体は基礎代謝を徐々に抑えてバランスを取るように働きます。
糖質制限を続けた後、身体はエネルギーを蓄積するために脂肪が容易につく体質になっているのが一般的です。
糖質制限中は、適度に運動をして筋肉量を維持し、基礎代謝をできるだけ落とさないように対処するのも有効です。
ダイエット後のリバウンドを引き起こさないよう、糖質制限中および制限後の対応には十分配慮する必要があります。
脳の栄養不足に陥らないか意識する必要がある
糖質制限により、脳の栄養不足に陥るリスクが高くなります。
人間は、体内の血糖のうち20〜30%を脳で消費しているといわれています。
糖質の摂取量を減らすと、脳の働きが弱くなる可能性が高いです。
脳の働きが不足すると、精神面での不調をきたしてしまうケースが多くなります。
たとえば、以下のような状態が発生する場合には、糖質制限を見直す必要があります。
- 集中力や思考力が低下する
- 疲労感が抜けない
- 攻撃的衝動が起こる
- うつの精神状態に陥る
- 怒りの感情を抑えられなくなる
- 眠気が常にある
急激に糖質摂取量を減らすと、以上のような症状が起こる可能性が高いです。
糖質制限中も、適度な糖質量の摂取を確保して、脳の正常な活動を維持しましょう。
糖質制限中に食べていいものを理解し取り組もう
糖質制限をする際には、ご自身の適切な糖質の量を理解し、目標とする摂取量を定める必要があります。
糖質制限には血糖値の上昇を抑えるなどの利点があるものの、正しく取り組まないと低血糖に陥るなどの危険がつきまといます。
糖質制限には利点がある一方で欠点もあります。
便秘になるケースが増え、リバウンドの危険性も高いです。
今回一覧表で紹介した糖質制限中に食べていいものを確認し、ぜひ正しい糖質制限を実行してみてください。
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