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糖尿病の初期症状とは?原因や治療法を徹底解説

糖尿病の初期症状とは?原因や治療法を徹底解説

糖尿病は、5人に1人はかかるといわれている病気です。

しかし、糖尿病は初期症状が分かりにくく、発見が遅れる場合があります。

糖尿病の重症化を防ぐためには、早期発見、早期治療が重要です。

この記事では、糖尿病の初期症状にはどのようなものかについて詳しく解説します。

糖尿病の原因や治療法についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

この記事で分かること
  • 糖尿病の原因
  • 糖尿病の初期症状
  • 糖尿病による合併症
  • 糖尿病の治療方法
目次

糖尿病になる原因

糖尿病は、血液に含まれる糖の値が基準よりも高くなる病気です。

正常な人の血糖値は70〜100mg/dLですが、糖尿病の人は食前で126mg/dL以上、食後は200mg/dL以上になります。

本来、エネルギーの源となるブドウ糖は筋肉や脂肪を作る細胞に運ばれます。

しかし、糖尿病を発症するとブドウ糖が細胞にはこばれないため血液の中にあふれ出てしまうのです。

糖尿病の血管

糖尿病になると、体内でインスリンが正常に生成できなかったり、上手く使えなくなったりします。

結果、摂取したエネルギーを代謝できなくなり、さまざまな症状を引き起こすのです。

糖尿病は2種類に分類される

糖尿病は2種類に分類される

糖尿病は、大きく分けて「1型糖尿病」「2型糖尿病」の2種類に分類されます。

糖尿病は2種類

糖尿病患者の95%は、2型糖尿病であり、1型糖尿病の発症率は5%程度です。

生活習慣病などが原因で引き起こされる2型糖尿病とは異なり、1型糖尿病になる主な原因は解明されていません。

しかし、どちらの型の糖尿病であっても、糖尿病の正しい知識を身につけると事前に対処できる場合があります。

糖尿病は、早期発見や早期治療で症状が改善される病気なため、体調管理は徹底しておこないましょう。

それぞれの特徴について、以下で詳しく解説していきます。

1型糖尿病

1型糖尿病

1型糖尿病になると、本来すい臓で生成されるインスリンがまったく作られない状態になります。

そのため、食事療法や運動療法のみで症状が改善される可能性は低く、インスリン注射をおこなわなければ症状は改善されません。

2型糖尿病は中高年の発症率が高いですが、1型糖尿病は若年層でも発症します。

1型糖尿病になる原因は正確には判明していませんが、以下が考えられます。

  • 1型糖尿病にかかりやすい体質である
  • さまざまな要因により、すい臓の一部が損傷を受けている

症状がいきなり悪化するのも1型糖尿病の特徴であり、以前の検診で血糖値の高さを指摘されなかったのにもかかわらず発症する場合もあるのです。

風邪や感染症の症状と似ているため、少しでも異変を感じたら迷うことなく医療機関を受診しましょう。

2型糖尿病

2型糖尿病

2型糖尿病は、すい臓で生成されるインスリンの量が十分でない、作成されない状態です。

一般的に、中高年に多くみられますが、若年層でも発症する可能性はあります。

そのため、糖尿病と肥満を同じものとしてみる人もいますが、糖を摂りすぎるだけで糖尿病になるわけではありません。

2型糖尿病は一般的な糖尿病といわれ、生活習慣が大きく関係します。

そのため、生活習慣の見直しを行うだけで症状が改善される可能性が高くなります。

2型糖尿病の原因となる生活習慣は、以下の通りです。

  • 運動不足
  • 朝食を抜く、間食が多いなど食生活がみだれている
  • 喫煙者である
  • きのこや海藻類を好んで食べない
  • 1日間に摂取するアルコール量が多い
  • 身内に糖尿病患者がいる

糖尿病は初期症状がほとんどなく、気付かないうちに症状が進行します。

生活習慣だけでなく、遺伝が関係する場合もあるため、身内に糖尿病の人がいる場合は早めに検査しましょう。

糖尿病の初期症状

糖尿病の初期症状には、以下の項目が挙げられます。

糖尿病の初期症状
  • 体重が急激に減る
  • 喉がかわきやすい
  • 体のダルさや疲れを感じやすくなる
  • 尿の回数が増える

糖尿病の初期症状に、体重が急激に減る点が挙げられます。

いつも通りの食事をとっていても、ぶどう糖をエネルギーに変換できないため体重が増加しません。

なぜなら、エネルギー不足を補うために筋肉や脂肪のタンパク質を使用するため体重が減るようになるからです。

さらに、糖尿病が進行すると、喉のかわきやすくなったり尿の回数が増えたりします。 

血糖値が上がるとブドウ糖が増えるため、腎臓が不要な糖分を排出しようと大量の水分を尿に排出し、脱水症状になるからです。

他にも何もしていないのに疲れやすく、体がダルい場合は糖尿病を疑いましょう。

2型糖尿病の初期段階であれば、食事や運動治療に取り組むことで、すい臓の機能が回復する方もいらっしゃいます。
特に普段の食事で意識して摂取しておきたい食材や成分についてまとめていますの、こちらの記事も参考にしてください。

インスリンの働きを高める食材、成分の一覧

糖尿病による合併症

糖尿病は、さまざまな不調が現れるだけでなく、合併症を引き起こす可能性があります。

糖尿病により引き起こされる合併症は、3大合併症とよばれ、神経や目、腎臓などにさまざまな障害が起きます。

引き起こされる合併症は、以下の通りです。

三大合併症
合併症症状
糖尿病神経障害高血糖が原因となり、足先や手の指に痛みやしびれがあらわれるようになる
糖尿病網膜症目の網膜の細い血管がむしばまれて、進行すると失明する
糖尿病腎症腎臓にある細い血管がむしばまれて、進行すると老廃物を尿として排泄できなくなる

合併症は自覚症状がない場合もあるため、知らず知らずのうちに進行している場合があります。

糖尿病は、血糖値をコントロールすると予防できるため、血糖値を下げる治療を積極的におこないましょう。

糖尿病の治療方法

糖尿病の治療方法
糖尿病の治療方法

糖尿病の治療方法は、主に食事療法や運動療法、薬物療法です。

特に食事療法は、糖尿病の治療で重要になります。

バランスのとれた食事は、糖尿病予防だけでなく、健康維持にも繋がるのです。

さらに、薬物療法は食事療法と併用して行うと効果が得られます。

適切な食事療法が行なわれていない場合は、薬の効果が弱くなってしまう場合もあるのです。

血糖値を安定させるためにも、食事療法や運動療法、薬物療法を上手に併用していきましょう。

それぞれの治療方法について、詳しく解説していきます。

食事療法

食事療法では、健康長寿食を意識してエネルギーを摂取します。

健康長寿食とは、以下の要素をバランスよく摂取できる食事です。

バランスのよい食生活
  • 炭水化物
  • タンパク質
  • 脂質
  • ビタミン
  • ミネラル

食事療法では、食べてはいけない食材はありません。

しかし、適正な量を規則正しく食べるのが重要です。

さらに、ゆっくりよくかんで食べる、食事は腹八分目までなどちょっとした行動で得られる効果は大きくなります。

食事療法は、個人個人で食べられる食事が異なるため、医師に相談した上で進めていきましょう。

近年の研究で、ポリフェノールには糖分の吸収や血糖値の上昇を抑える効果がわかってきています。
摂取すべきポリフェノールの種類や効果については、以下の記事も参考にしてください。

アカシアポリフェノール-糖尿病撃退の決め手になる!薬科大学・国立大学が注目する効果とは

運動療法

運動療法は食事療法と併用すると、糖尿病の症状改善に効果があります。

さらに体を動かすと、糖尿病だけでなく、生活習慣病の改善にもつながるのです。

運動療法として効果的な運動に、ウォーキングなどの有酸素運動や筋力トレーニングが挙げられます。

運動療法

有酸素運動は、ブドウ糖が細胞の中にどんどん流れ、インスリン効果により、血糖値上昇をおさえられます

一方、筋力トレーニングでは筋肉量を増やすとインスリン効果が高まり、血糖値の減少につながるのです。

運動療法は3日以上期間が空くと効果が弱くなるため、継続して運動を続ける必要があります。

薬物療法 

食事療法や運動療法で期待できる効果が得られない場合は、薬物療法を行います。

薬物療法

薬物療法では、血糖値を下げる注射薬や飲み薬を使用して血糖値をコントロールするのです。

注射薬では、インスリン製剤でインスリンを補助します。

一方、飲み薬では受容体作動薬を使用してインスリンを出やすくするのです。

どの方法で薬物治療を行うかは、インスリンの排出量によって異なります。

薬には、副作用も含まれるため、必ず医師に相談した上で使用するようにしましょう。

糖尿病の初期症状のサインを見逃さないようにしよう

糖尿病は、インスリンの動きが正常に働かず、血糖値が上がる病気です。

糖尿病の症状を放置すると、知らず知らずのうちに合併症を引き起こす可能性があります。

糖尿病は、食事療法や運動療法、薬物療法で症状を緩和できる病気です。

初期症状では糖尿病と気づかない人もいますが、初期段階で糖尿病の治療がしっかり行われれば、重症化を防げます。

体調不良と安易に考えるのではなく、少しでも異変を感じた場合は、必ず医療機関を受診しましょう。

医療機関を受診しよう

この記事の監修者

東京医科大学を卒業後、複数の総合病院内科、東京医科大学病院 糖尿病代謝分泌科を経て、現在の四谷内科・内視鏡クリニックの副院長に就任。


糖尿病専門医でありながら、見逃されやすい内分泌疾患にも精通した総合的な診療をおこなう。

日本糖尿病学会
糖尿病専門医

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