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ヘモグロビンa1c測定器は家庭用で購入できない?測定できる場所を確認

ヘモグロビンa1cの家庭用測定器の活用方法は?基準値や機器の種類を確認

ヘモグロビンa1cは、糖尿病の判断基準になる数値であり、専用の機器で測定できます。

家庭用の採血キットを利用した場合、病院に行かなくてもヘモグロビンa1cの数値がわかります。

一方で、ヘモグロビンa1cを測定できる機器は基本的に家庭用として購入できません。

では、家庭用の採血キットはどのように活用するとよいのでしょうか。

この記事では、ヘモグロビンa1cの測定器や採血キットについて解説します。

この記事でわかること
  • ヘモグロビンa1cの基本情報
  • ヘモグロビンa1cの測定と採血キットの使い方
  • ヘモグロビンa1cを測定できる場所

糖尿病に関連する数値や、判断基準も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

目次

ヘモグロビンa1cは糖尿病の判断基準として有用な指標になる

ヘモグロビンa1cの家庭用測定器の活用方法は?基準値や機器の種類を確認

ヘモグロビンa1cは、血液中の糖化ヘモグロビンの割合を示す数値であり、診察の項目ではHbA1cと表記される場合もあります。

ヘモグロビンには血液中の糖と結びつく性質があり、一度糖化したヘモグロビンは、元の状態には戻りません

ヘモグロビンa1c(HbA1c)

糖尿病の血液検査においては、以下の特徴から判断基準の1つになっています。

  • 血糖値が高い状態が継続している場合、血液中の糖も多くなり、ヘモグロビンa1cの数値も高くなる
  • 食事の影響で採血時の数値が変動する可能性がある血糖値とは異なり、ヘモグロビンa1cの数値はほとんど変動しない
  • 過去1~2ヶ月の平均的な血糖値がヘモグロビンa1cの数値に反映されるため、直近の血糖値の状態を把握できる

糖尿病の検査は、血糖値や尿中の糖分量も参照するため、ヘモグロビンa1cの数値のみで判断されるわけではありません。

しかし、安定した数値が測定できる点から、判断基準として有用な指標になります。

ヘモグロビンa1cの基準値は一般的な検査と本格的な検査で異なる

健康診断などで行われる一般的な血液検査において、ヘモグロビンa1cの数値が基準値を超えていても、すぐに糖尿病と診断されません。

ヘモグロビンa1cを含めた数値に異常があったときは、後日糖尿病を調べる本格的な検査が行われます。

本格的な検査では、糖尿病を判断するヘモグロビンa1cの基準値が一般的な血液検査と異なります。

尿検査の数値
血液検査ヘモグロビンa1cの基準値
健康診断などの一般的な血液検査
(糖尿病の疑いがあるか調べる血液検査)
基準:~5.5%
予備軍:~6.0%
糖尿病の可能性:6.5%
糖尿病の疑いがある場合の本格的な血液検査
(糖尿病か糖尿病の予備軍か判断する検査)
正常:4.6~6.2%
予備軍:6.0~6.4%
糖尿病:6.5%以上

家庭用採血キットを用いてヘモグロビンa1cの数値を測定する場合も、上記の数値を参考にして、異常がないか判断していきます。

血糖値は空腹時と食後の数値のどちらも判断基準になる

血糖値は、ヘモグロビンa1cと同じ血液検査から数値が出るため、一般的な血液検査でも参考にされます。

本格的な検査では、基本的に空腹時血糖値が参照されますが、判断しきれないときには食後血糖値も測定されるケースがあります。

初回検査・再検査からの診断
血液検査血糖値の基準値
健康診断などの一般的な血液検査
(糖尿病の疑いがあるか調べる血液検査)
空腹時血糖値
基準:70~109mg/dl
予備軍:110~125mg/dl
糖尿病の可能性:126mg/dl以上 
糖尿病の疑いがある場合の本格的な血液検査
(糖尿病か糖尿病の予備軍か判断する検査)
・空腹時血糖値
正常:100mg/dl未満
予備軍:110~125mg/dl
糖尿病:126mg/dl以上
・食後血糖値(75g経口ブドウ糖負荷試験)
正常:140mg/dl未満
未満予備軍:140~199mg/dl
糖尿病:200mg/dl以上

食後血糖値を測定する場合は、通常の食後ではなく、75g経口ブドウ糖負荷試験という測定方法が用いられます。

75g経口ブドウ糖負荷試験は、10時間以上の絶食後にブドウ糖入りの飲料を飲み、一定時間ごとの血糖値を測定する方法です。

ヘモグロビンA1cを下げるには、食後や空腹時の血糖値を普段から抑えることが大切です。
カテキン、イソフラボン、アントシアニンなどで知られるポリフェノールには血糖値を抑制する効果が確認されています。
食事習慣に取り入れていくように心がけていきましょう。

ポリフェノールの最新研究データ

尿検査でも糖やタンパク質の量から糖尿病の疑いがあるか判断される

健康診断などで行われる一般的な尿検査において、尿中のブドウ糖が多かったとき、糖尿病の疑いがあると診断される場合があります。

糖尿病を調べる本格的な検査でも尿検査は行われており、ブドウ糖とともにタンパク質であるアルプミンの数値も測定されてます。

尿検査の数値
尿検査判断基準になる数値
ブドウ糖の測定(一般的な尿検査と糖尿病の本格的な検査)尿試験紙を用いた場合、以下の数値で示されて、+が多いほどブドウ糖の量が多い
・-
・+-
・+=1+
・2+
・3+
・4+
尿中アルプミン(糖尿病の本格的な検査)正常:30mg/gCr未満
早期腎症:30~299mg/gCr
顕性腎症:300mg/gCr以上

糖尿病の合併症の1つである糖尿病性腎症が発症している場合、タンパク質が分解できなくなり、尿中のタンパク質量が増加します。

糖尿病を調べる本格的な検査は初回検査の数値のみで判断しない

糖尿病を調べる本格的な検査は、初回検査で異常が出なかった場合でも、必ず2回目の検査が行われます。

一般的な検査において、数値の異常が発生している時点で、糖尿病の疑いは簡単には消えません。

本格的な検査の初回検査と2回目の検査の判断基準は、以下のとおりです。

初回検査・再検査からの診断
初回検査2回目の検査診断結果
空腹時血糖値とHbA1cに異常あり糖尿病
空腹時血糖値のみ異常あり1ヶ月以内を目安に血液検査と尿検査を行う・糖尿病の典型的な症状が見られる場合は糖尿病
・糖尿病性網膜症の症状が明確に見られる場合は糖尿病
・空腹時血糖値かHbA1cに異常が見られる場合は糖尿病
・再検査で異常が見られない場合は糖尿病の疑いあり
HbA1cのみ異常あり血液検査が必須・空腹時血糖値とHbA1cの両方、もしくは血糖値のみ異常がある場合は糖尿病
・HbA1cのみ異常がある、もしくは再検査で異常が見られない場合は糖尿病の疑いあり

2回目の検査でも異常が出なかったときは、糖尿病の疑いがなくなるまで、定期的な検査や医師によるアドバイスが行われます。

ヘモグロビンa1c測定器は自宅で測定する用途では購入できない

ヘモグロビンa1cの測定器は、ネット上で商品情報を閲覧できますが、自宅で個人的に測定する用途では販売されていません。

各メーカーのヘモグロビンa1c測定器は、医療や介護現場など専門機関における利用を想定しています。

一方、Amazon等で「ヘモグロビンa1cの家庭用測定器」と検索した場合、いくつか商品の候補が表示されます。

しかし、該当する商品の多くは血糖値体内グルコースを測定する商品です。

糖尿病の対策や治療において、数値を把握するために役立ちますが、ヘモグロビンa1cは測定できません

ヘモグロビンa1cの数値を自宅で知るためには、家庭用の採血キットを購入して郵送後に専門機関で測定してもらいましょう。

家庭用の採血キットは自分で針を刺して血液を採取する

ヘモグロビンA1c検査用の採血キットは、Amazon等のネット通販で購入可能です。

主な器具スピッツ(血液の入れ物)
ロート(スピッツに取り付ける血液の入れ口)
ランセット(穿刺針)
固定用ホルダー
絆創膏
消毒用アルコール綿
参考価格4,400~4,950円

採血キットの種類によって器具の内容が異なる場合がありますが、主に以下の流れで採血を行います。

  1. 採血前にお湯で手を洗い、血流を促進させる
  2. 専用のホルダーに血液を入れるスピッツをしっかり固定して、ロートを取り付ける
  3. 指先穿刺用のランセットのキャップを外しておく
  4. 針を刺す前に血を止めるための絆創膏を用意しておく
  5. 圧迫用テープを針を刺す指の第一関節あたりに巻き付ける
  6. 針を刺す指先をアルコール綿で消毒する
  7. 消毒液が完全に乾いた後、ランセットを指先にしっかりと押し付ける
  8. 血液が出た後は、ロートの中心棒に沿って、血液を2~3滴入れる
  9. アルコール綿で血液を拭いた後、圧迫テープを剥がして絆創膏を貼る
  10. ホルダーからスピッツを取り出し、ロートを取り外す
  11. スピッツの蓋を閉めて採血完了

針を刺した際、血液が出にくい場合は手のひらから指先にかけてマッサージを行い、血液を絞り出しましょう。

採血した検体は、測定の基準を満たした登録衛生検査所に送られて臨床検査技師によって測定されます。

病院のように採血したその日に結果が出るわけではありませんが、自宅で作業を完結できる点は、家庭用採血キットの利点です。

家庭用採血キットでチェック

・食後や空腹時の血糖値を抑制する
・インスリンの効き目を高め分泌を促す

など、糖尿病予防におけるポリフェノールの研究が進んでいます。
ぜひ、こちらの記事も確認してみてください。

薬科大学・国立大学が注目するポリフェノール研究

ヘモグロビンa1cの測定器を設置している薬局もある

ヘモグロビンa1cの測定器を設置している薬局もある

家庭用採血キット以外でヘモグロビンa1cを測定できるのは、以下の場所です。

家庭用測定器以外で測定できる場所
  • ゆびさきセルフ測定室:全国の薬局に有料で利用できる測定器が設置されている
  • 内科や糖尿病内分泌科がある病院:糖尿病の本格的な血液検査や尿検査にも対応

ゆびさきセルフ測定室は設置場所まで訪れ、その場で採血した後に専用機器でセルフの測定を行います。

薬局に立ち寄った際、セルフで手軽に受けられるため、病院まで行くのが億劫な人におすすめです。

一方病院の血液検査は、清潔な環境で検査に慣れた看護師に採血してもらえます。

自分で血液を出して測定するのに抵抗がある人は、病院で検査してもらうようにしましょう。

ヘモグロビンa1cの測定は家庭用採血キットや薬局で可能

ヘモグロビンa1cは、家庭用採血キットを利用して、自宅から出なくても測定可能です。

すぐに結果が出るわけではありませんが、採血自体はキット内の器具で簡単に実施できます。

測定結果をすぐに知りたい場合は、全国の薬局に設置されているセルフの測定器を利用するのもおすすめです。

同じように自分で採血する必要がありますが、その場で測定結果を閲覧できます。

ただし、測定器はあくまで数値が見られるだけであって、糖尿病の症状を確定できるわけではありません。

測定器の使用から数値の変化や異常が見られたときは、病院で本格的な検査を受けましょう。

症状が悪化する前に糖尿病を発見できた場合は、対策や治療も速やかに行えます。

高血糖や糖尿病が気になる人は、ヘモグロビンa1cの家庭用採血キットの購入や、薬局の利用を検討してみてください。

症状悪化前の糖尿病発見にも期待

この記事の監修者

東京医科大学を卒業後、複数の総合病院内科、東京医科大学病院 糖尿病代謝分泌科を経て、現在の四谷内科・内視鏡クリニックの副院長に就任。


糖尿病専門医でありながら、見逃されやすい内分泌疾患にも精通した総合的な診療をおこなう。

日本糖尿病学会
糖尿病専門医

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