糖尿病は、日本人の約6人に一人がかかっている生活習慣病の一つです。
糖尿病は、加齢に伴って発症リスクが上がります。
20代や30代と同じ生活習慣を続けている人が、40代で突然発症するケースも少なくありません。
今まで血糖値が気にならなかった人も、定期的なチェックで糖尿病を予防しましょう。
血糖値が気になりはじめたときに、糖尿病をチェックする方法について解説します。
- 糖尿病のセルフチェック
- 病院以外で糖尿病をチェックする方法
- 糖尿病検査の種類
手軽にできる糖尿病のチェック方法や、糖尿病検査の種類について解説しているため、ぜひ参考にしてください。
糖尿病チェックは自覚症状セルフチェックと検査キットで行う
糖尿病はインスリンが上手く機能しないため、血糖値を下げられなくなる病気です。
膵臓から分泌されるインスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンであり、安定した血糖値を保つために利用されます。
40代以上の人は、定期的に糖尿病をチェックしましょう。
高血糖状態を放置すると、体内の血管が傷つけられ血管障害の発症リスクが高まります。
血管障害はさまざまな合併症を引き起こし、失明や腎機能の低下によって人工透析を余儀なくされる場合もあります。
合併症を予防するためには、早期発見と予防が大切です。
ここでは、糖尿病のセルフチェックについて解説します。
どんな人に糖尿病チェックが必要か
糖尿病の原因には遺伝や生活習慣、肥満が関係しています。
家族や親族に糖尿病の人がいる場合は、通常よりも糖尿病の発症リスクが高いため、定期的な糖尿病のチェックが必要です。
健康的な生活習慣ができていない人や肥満の人も、定期的に糖尿病チェックを行いましょう。
特に食事は血糖値に影響を与えるため、甘い食べ物の過剰摂取や脂質の多い食事を継続すると、将来的に糖尿病を発症する可能性があります。
肥満の人は糖尿病だけではなく、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病リスクも高くなります。
糖尿病のセルフチェック
糖尿病は初期症状がほとんどなく、進行すると高血糖による症状が現れます。
高血糖の症状に気づかずに放置すると合併症を発症し、合併症の症状によって糖尿病が発覚する場合もあります。
すでに症状が出ていたとしても、糖尿病は早期発見で進行予防が可能です。
以下の糖尿病セルフチェックを行い、該当する症状がある場合は早急に病院を受診しましょう。
- 常に疲労感や倦怠感がある
- 異常に喉が渇く
- 尿の回数が多い
- 若い時よりも10キロ以上体重が増えている
- 集中力が低下した
- 手足のしびれや痛みがある
- 足がつる
- 目がかすむ
- 急に視力が低下した
- 傷の治りが遅い
- 感染症にかかる頻度が高い
血糖値が高くなると、体は余分な糖分を尿として排出しようとするため、頻繁にトイレに行く必要があります。また、体内の水分が不足し強い喉の渇きを感じることがあります。
普段の生活から血糖値を上げない対策や工夫をしていきましょう。
血糖値の上昇を抑える対策についてはこちらの記事をご確認ください。
自宅で糖尿病をチェックする方法
糖尿病チェックには、自宅で手軽に行う方法があります。
薬局やドラッグストアで購入できる検査キットを使用し、糖尿病チェックができます。
しかし、採取する状況によって検査数値に変動があるため、この方法のみで糖尿病の診断はできません。
糖尿病を調べる判断材料の一つとして利用し、心配がある場合は病院を受診しましょう。
自己血糖測定器 |
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測定器を用いて、自分で血糖値を調べる方法。 指先に専用の針を刺して血液を採取し、血糖値を測定する。 基本的には糖尿病患者が血糖コントロールをするために使用するが、誰でも購入可能。 |
尿糖チェック |
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尿の中に含まれる糖を調べる検査キット。 採取した尿に試験紙を浸して調べる。 尿糖が陽性の場合、糖尿病の可能性がある。 |
病院以外で糖尿病をチェックする方法
糖尿病チェックは、主に血液検査によって行います。
初期の糖尿病は症状がほとんどないため、気づかない間に発症している場合があります。
定期的な血液検査は、糖尿病の発症予防のために重要です。
血液検査ができる場所は、病院だけではありません。
病院受診に抵抗がある人や忙しくて病院に行けない人は、ご紹介する検査方法を活用してください。
病院以外で糖尿病をチェックする方法について、解説します。
自宅でできる血液検査キット
自分で採取した血液を、検査機関に郵送して血糖値を調べる方法があります。
血液検査キットは薬局やインターネットで購入し、自分で血液を採取します。
採取した血液は、検査機関へ郵送し結果を待ちます。
結果が出るまでにかかる時間は検査キットの種類によって違いますが、1週間程度でわかる検査もあります。
血糖値だけではなく、脂質代謝や肝機能などの項目を調べるキットもあり、金額は5,000〜10,000円程度です。
ゆびさきセルフ測定室
時間がない人は、ゆびさきセルフ測定室を実施する薬局やドラッグストアを利用しましょう。
ゆびさきセルフ測定室は薬局内で血液検査ができる採血スペースで、全国に普及が進んでいます。
店舗によって検査項目に違いがありますが、主に血糖値と血中脂質の検査が可能です。
検査は薬剤師などの専門スタッフから説明を受け、穿刺キットを使用し自分で採血を行います。
検査結果は10分程度でわかり、説明の時間を含めても20〜30分程度で終わるため、時間がない人でも手軽にできる検査方法です。
検査費用は保険対象外で全額自己負担となり、500〜2,000円程度で検査できます。
献血時の血液検査
献血をする際の血液検査でも、糖尿病チェックができます。
血液検査は献血をする際のサービスで、希望者には2週間程度で結果が郵送されます。
糖尿病は、生化学検査項目のグリコアルブミン検査で調べます。
グリコアルブミンは、検査の2週間前からの血糖値状態を調べる検査です。
16.5%以上で糖尿病が疑われ、正常範囲内の15.6%以上でも肥満状態などによっては詳しい検査が必要な場合もあります。
・食後や空腹時の血糖値を抑制する
・インスリンの効き目を高め分泌を促す
など、糖尿病予防におけるポリフェノールの研究が進んでいます。
ぜひ、こちらの記事も確認してみてください。
薬科大学・国立大学が注目するポリフェノール研究
病院では血液や尿検査で糖尿病を診断し、必要があれば合併症の検査も行う
糖尿病のセルフチェックに該当する症状がある場合や、血液検査で高血糖が見つかった場合は、病院で詳しい検査を受けましょう。
糖尿病は症状がないため、診察を先延ばしにしたり治療を中断したりする人も多くいます。
自己判断で治療を中止すると、糖尿病だけではなく合併症を発症する可能性を高めます。
糖尿病の検査には、血液検査や尿検査、合併症を調べる目の検査などがあります。
どの検査をするかは、症状の有無や血糖値の検査データの有無によって決まります。
複数の検査を実施し、糖尿病が確定された場合は合併症を調べる検査も必要です。
代表的な糖尿病検査の種類について、解説します。
糖尿病を調べる血液検査
糖尿病を診断するために用いられる血液検査は、主に4つあります。
糖尿病は数値によってグループ分けがされており、正常型は糖尿病の疑いが低く、糖尿病型は糖尿病の疑いが強い数値です。
境界型は隠れ糖尿病とも呼ばれ、将来的に糖尿病になる可能性が高く、生活習慣の改善や定期的な検査を必要とします。
空腹時血糖値とHbA1cにおける正常高値は、隠れ糖尿病(境界型)の前段階を示す数値です。
糖尿病は、これらの検査を必要に応じて複数回実施し診断されます。
空腹時血糖値 | 正常型 | 正常高値 | 境界型 | 糖尿病型 |
---|---|---|---|---|
10時間以上の絶食状態で、空腹時の血糖値を調べる検査。 食事に影響を受けていない状態の数値がわかる。 | ~99mg/dL | 100〜109mg/dL | 110〜125mg/dL | 126mg/dL~ |
HbA1c | 正常型 | 正常高値 | 境界型 | 糖尿病型 |
---|---|---|---|---|
検査を受ける1〜2ヶ月前の血糖値の状態を調べる検査。 過去の血糖値の平均値がわかる。 | ~5.5% | 5.6~5.9% | 6.0〜6.4% | 6.5%~ |
随時血糖値 | 正常型 | 境界型 | 糖尿病型 |
---|---|---|---|
食事と検査の間の時間を決めずに採取した血液で血糖値を調べる検査。 | ~139mg/dL | 140〜199mg/dL | 200mg/dL~ |
75g経口ブドウ糖負荷試験 | 正常型 | 境界型 | 糖尿病型 |
---|---|---|---|
空腹時と食後の血糖値を調べる検査。 空腹状態でブドウ糖の入ったソーダ水を飲み、時間を開けて採血を行う。 基準値は、食後2時間の数値。 | ~139mg/dL | 140〜199mg/dL | 200mg/dL~ |
尿糖検査
尿糖検査は、尿中に糖が含まれているかを調べる検査です。
腎臓は血液を濾過し、不要な老廃物を尿として体外に排出する機能を持っています。
血液中の必要な物質は、腎臓によって再吸収されます。
通常では血液中の糖も再吸収されるため、尿の中に糖は検出されません。
しかし、血液中に糖が増加すると腎臓が糖を再吸収しきれず、尿中に排出します。
合併症を調べる検査
糖尿病の合併症は、高血糖を放置した場合や血糖コントロールがうまくできていない場合に発症します。
糖尿病に気づかずにいると、合併症の症状が出てから糖尿病の発症が発覚する人もいます。
糖尿病網膜症は、初期症状がほとんどない合併症です。
症状がないまま進行し、悪化すると視力の低下が進み失明の危険があります。
糖尿病網膜症を調べる検査は、眼底検査です。
糖尿病網膜症は小さな網膜の出血から始まるため、定期的な眼底検査で早期発見をする必要があります。
糖尿病性腎症も、初期症状がないまま進行する合併症です。
腎臓にある糸球体の毛細血管に障害が起こり、悪化すると腎臓が機能しなくなり人工透析を必要とします。
腎臓に障害が起こると、体に必要なタンパク質を再吸収できなくなり、尿中にタンパク質が排出されます。
本来は尿中にタンパク質は含まれないため、腎機能障害を疑う指針になります。
定期的な糖尿病チェックで糖尿病の早期発見をしましょう
糖尿病は年齢に伴い発症率が上がるため、40代以降の人は定期的な糖尿病チェックによる早期発見が大切です。
血糖値が正常な人であっても、家族に糖尿病の人がいる場合や肥満の人は、定期的に糖尿病チェックを行いましょう。
糖尿病は進行すると症状が現れるため、自覚症状のセルフチェックを確認し、該当する場合は早急に病院受診が必要です。
病院に行く時間がない場合は、郵送で検査ができる血液検査キットや薬局で血液検査をする方法が活用できます。
血糖値が高い場合は糖尿病の疑いがあるため、病院で追加の検査が必要です。
糖尿病チェックにはさまざまな方法があるため、自分に合った方法で定期的に検査をしましょう。
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